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日馬富士関引退

日馬富士関が昨日、引退を表明した。

警察の捜査の結果も、相撲協会の調査の結論も、まだ出ていない状況での引退表明。被害者が取り下げない限り、日馬富士関には傷害罪が適用される可能性があるし、相撲協会からは解雇や除名など、なんらかの処分を受けることが予想されていた。

警察、協会ともに、日馬富士関に対してなにも出来ていない状況で、“身を引く”。


あの日、あの場所で、いったいなにがあったのか。貴ノ岩関への暴行が事実であっても、なぜそうなったかが、一番肝心なところだと思うのだ。それがはっきりしないまま、はっきりさせないまま、“引退”してコトを収める。。。


日馬富士関はこのタイミングでの引退によって、日本国籍を取ってからの年寄名跡の取得もならず、相撲協会に残ることも出来ず。本人がなによりほしかったものが、手のひらからこぼれ落ちてしまったに違いない。

加害者であることが間違いなさそうなことから、日馬富士関の引退は多くの人の予想の範疇であったと思う。それでもこの時期での引退で、明らかにされないままになってしまうことはないのだろうか。“社会的制裁を受けた”として、傷害罪も起訴猶予になりそうな気がするし。


同席していた白鵬関や鶴竜関がその時なにをしていたのか。そもそも貴ノ岩関はどうだったのか。暴行に至るやりとりの流れ、直接の原因はなんだったのか。

自らの行為の責任を取るだけではなく、事実が明らかになることによって新たな“被害者”を出さないための決断である・・という可能性はないのか。


今後は、日馬富士関に対する同情論がわき出てくるような気がしてならない。日本人はこういうとき、どうしても見た目かわいそうなほうに肩入れしてしまうから・・。

藪の中でなにがあったのか。貴乃花親方、あなたの言葉と行動が必要です。

白を黒と丸め込まれないように。黒を白だと言いくるめられないように。


・・・・And that's the way it is.

gonbe5515




by starforestspring | 2017-11-30 12:58 | 時事 | Comments(0)

平成29年九州場所優勝インタビュー

特にテレビで耳にすることが多い言葉に「違和感を覚える」「違和感を感じる」というのがある。ある理由で、私があんまり使いたくない言葉のひとつである。そんな私が、いきなり「違和感」としか言いようのない感覚に襲われたのが、九州場所優勝者インタビューでの白鵬関の言葉を聞いたとき。


「膿を出す」

いやいや、事件は現在警察が捜査中で、まだなにがあったのか、正確なところはわかってないわけです。そういう不確かな状況にも関わらず、あなたは“膿”を出すとおっしゃるのですね。ということは、“膿”が現実に存在すると。もう日本にも長くおいでですから、まさか単語の用法を間違えることはないと思いますが、念のため申し上げますと、こういう場合に使われる“膿”とは、組織や集団の中にある、改革を必要とする害のことを言います。

念のため確認しておきたいのですが、あなたのおっしゃる膿が存在する組織集団とは、あの酒席にいた人たちを指してるってことでいいんですよね?相撲協会とか、そこに属する力士さんたちを指すのではまさかないですよね?

じゃなにも、場所が終わったあと、観客のみなさんがおられる前でおっしゃることはないのです。ごく内輪の話じゃないですか。あんな場で、あんな状況で口にすると、まるで全体の問題のようにうけとられてしまうじゃないですか。


「日馬富士関と貴ノ岩関を再び土俵に上げたい」

捜査は現在継続中。結果はまだ出ていない。にも関わらず、コトが起こった時に現場にいらっしゃったあなたは、日馬富士関と貴ノ岩関の行為を見て、それが「今後土俵に上がれない可能性」につながるものと判断された。私はあなたの言葉を聞いてすぐにこう解釈したのですが、この解釈は間違ってるでしょうか。

この解釈が間違ってる可能性があるとしてら、「あのときなにもなかった」場合だけです。疑われたけれど、実際はなにもなかった。であれば、日馬富士関も貴ノ岩関も、なにごともなく初場所に出場されるはずなのです。でもあなたは「上げたい」、こうおっしゃった。ということは、あなた自身が、「ヤバイ」と思ってるということの証明になりませんか?なにごともなかったのなら、「待ちたい」と言えばすむし、その言葉こそふさわしいでしょう。

実際日馬富士関は、暴行を認めてます。あなた自身もおっしゃってるじゃないですか。「ビール瓶はつかっていない」って。「は」ということは、ビール瓶はつかってないけど、それ以外のもので殴ったことは認めてるのと同義です。


さて、
横綱は力士の序列の頂点に立つ者であります。格下の力士に助言や叱責を行うことは当然でしょう。かつてあなたが琴勇輝関になさったようにね。(彼はあなたに注意されて以降、立ち会いのルーティンを変えました。)

そういう立場ではありますが、事実を調査し、ことの善悪を判断し、それに関わる処分を行う立場・・ではありません。そもそもあなたは、ことが起こったとき、一緒にいた当事者じゃないですか。場所中だったから先送りされただけで、本来ならその場にいた中での最上位者として、いの一番に事情聴取を受けるはずなのです。。ふたりの処分をどうこうする権限もなく、また現場にいて一部始終を見ていた当事者であるあなたが、どこをどうひねったら「再び上げたい」なんてセリフを言えるのでしょう!


もうひとつ付け加えるなら・・・

インタビューの冒頭、あなたは「全国の相撲ファンに対し力士代表としておわび申し上げたいと思います」とおっしゃったけれど、この件について力士代表として詫びる前に、11日目の嘉風関との勝負のあとの、ご自身の見苦しいふるまいについてこそ詫びるべきだったと思います。



「違和感」を辞書で引いてみました。


1.生理的(心理的)にしっくり来ないという感覚や、周囲の雰囲気や人間関係とどことなくそぐわないという判断。

2.その人の理想像や価値観から見て、どこかしら食い違ってるという印象。

  三省堂「新明解国語辞典」より

う~む・・・。あんまり使いたくないこの言葉ですが、今回私が感じた感覚を表現するのに、この言葉を選んだことは間違いではなかったようですね。あのインタビューを聞いて、違和感を感じることが出来るほどには、常識を持ち合わせていたことに安心しました。


・・・・And that's the way it is.

gonbe5515




by starforestspring | 2017-11-28 16:39 | 時事 | Comments(0)

平成29年九州場所を振り返る

大相撲九州場所は、白鵬の優勝で終わりました。
今現在、千秋楽の取り組みは続いておりますが、実質的には昨日で終了。

応援してた力士たち、栃ノ心は勝ち越し、碧山と朝乃山は負け越してしまいました。入門以来初めての負け越しをした朝乃山の心中いかばかりかと。来場所はまた、幕尻あたりに落ちてしまうのでしょうが、今場所の負けを糧に、稽古に励み、強くなってもらいたいものです。壁にぶちあたってこその成長ですから!


今場所取り組みを見てて思ったのですが(私が見てたのは幕内だけでしたが)立ち会いの乱れっていうのが、昔ほどではないにしろ、まだまだ続いているように思います。昔は仕切り線に手をつく力士なんかあんまりいなくて、時間いっぱいのそんきょから立ち上がって、行司がはっけよい・・って言ったら、中腰のような状態でも立ってましたから。

あのころに比べれば、ちゃんと“見合って”立つことが多くなりました。が、目立つのは自分有利の呼吸に持っていきたいためでしょうが、手を下ろしながら、首をフラフラ振り、下ろし始めていた手を、途中で止めたり、また上げたり、手首をブラブラ振ってみたり・・という、“じらし”が結構多い。

あれは見苦しいですよ。
立ち会いはね、潔くやりましょうよ。

そういう点からすると、栃ノ心、貴景勝、宝富士、嘉風、朝乃山、この人たちは両手をちゃんとついて相手を待つという実に清々しい仕切りをしておられました。そういう力士を来年も応援したい。

日馬富士の事件発覚、その後の休場ももちろん残念なことでしたが、なにより白鵬が嘉風との取り組み後に見せたあの態度が、今場所の最大の汚点だったかと思います。私も長いこと相撲を見ておりますが、力士が自分の勝負についてイチャモンをつけるなんて見たことない。

細かいことでいくつか言いたいことはあるにせよ、一人横綱としてずっと角界を支えてきた横綱として、それなりの敬意を払ってきたつもりでいたのですが、それも今場所限りにします。

協会は、翌日横綱を呼んで事情を聞こうとし、白鵬の謝罪を受けると同時に厳重注意をしたそうですが、謝罪してことが収まるなら、警察・・もとい協会はいらないでしょう。どうして即刻出場停止の処分を下さなかったのか。白鵬がとった行動以上に、協会の弱腰に腹を立ててます。

なんにせよ、今年一年がんばってきた“お相撲さん”たち、おつかれさまでした。来年は今年以上に“清々しい”相撲を見せていただきたい。相撲は神事ですから。どうかお願いします。


日馬富士事件(貴の岩事件?)の今後の展開を気にしつつ、一年納めの場所、これにて打ち止め。


・・・・And that's the way it is.

gonbe5515



by starforestspring | 2017-11-26 16:57 | 時事 | Comments(0)

『不肖・宮嶋 メディアのウソ、教えたる! 』(14歳の世渡り術)

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河出書房から発売されてる『14歳の世渡り術シリーズ』の中の一冊。私知らなかったのですが、このシリーズ、とてもたくさんの本が出てるのですね。シリーズ名からもわかるとおり、中学生(高校生も?)を対象とした、不肖・宮嶋さんの熱き訴え。

メディア(新聞、テレビ、ラジオ)から発信される情報を盲信してはならない。インターネットなどもっての他。情報は自分の目で確かめることが大切。コメンテーターとかキャスターの発言は無責任だから信用しないこと。ひとりになることを怖がるな。

もう、まったくもって、そのとおり!同感です。異議なし!

中学生向けとのことですが、大人にも読んでもらいたい。大人の中でも老けたほうの部類に入る私ですが、最後まで一気に読めました。私が14歳の時にこの本を読んでたら、もしかすると、もうちょっとましな人間になれていたかもしれません。

元気になれる本だと思います。多くの青少年たちに読んでもらいたい本です。

私のブログをまさか中学生が読んでくれてるとは思えないので直接お勧めすることが出来ないのが残念ですが、そのくらいの年齢のお子様や、お孫さんに、是非勧めてあげていただきたいものです。もちろん、ご自身がお読みになって気に入ってくださればの話ですが。


・・・・And that's the way it is.


gonbe5515



by starforestspring | 2017-11-25 18:03 | | Comments(0)

『オケ老人!』

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映画的な、いかにも映画的な映画。ブラボー!


この映画の魅力はみっつ。

ひとつ エルガーの『威風堂々』

ふたつ ドボルザークの『新世界より』

みっつ 杏!



杏さん、『妖怪人間ベム』『ごちそうさん』『デート~恋とはどんなものかしら~』の三作を拝見しております。それぞれにこのブログでとりあげさせていただいておりますが、本作『オケ老人!』は彼女の持ち味、魅力が詰まった作品と思います。
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健気で、可愛らしく、強がりで、恥ずかしがり屋で、それでもやるときはやるんだ!っていう開き直ったときの意志の強さがその目と口元から伺われる。

いいものを見せていただきました。


夢と希望、挫折と復活、そして笑い。これがあれば映画になるという要素がこの作品には含まれています。そもそも音楽がらみの映画が私は大好物でありまして『オーケストラの少女』『オーケストラ!』『スゥイングガールズ』『のだめカンタービレ』『マエストロ』『うた魂♪』など、音楽がらみの作品には泣かされたもんです。それらの作品に比べると、この『オケ老人!』、ちょっと物足りない。しかしその物足りない部分を杏さんがカバーしている、そう思えます。

暗闇の中での『威風堂々』反則ですよ。

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繰り返しになりますが、映画的な、あまりに映画的なこの作品、物足りなさも含めて、いい時間を過ごさせていただいたと感謝しております。

笹野高史さん、左とん平さん、小松政夫さん、渋すぎです!



・・・・And that's the way it is

gonbe5515



by starforestspring | 2017-11-24 17:31 | 映画・ドラマ | Comments(0)

『Tomorrow明日』

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昭和20年8月9日木曜日午前11時2分に向かって進む日めくりカレンダー、時計。

“その日” の前日、長崎に住むある家族それぞれの一日を追いかけた映画。

長女は男の子を出産、次女は結婚初夜、三女は恋人に赤紙が届いたことを知る。

孫の誕生を控え、心落ち着かない父、長女につきっきりで世話をする母、仲むつまじい叔父夫婦、一日中駆け回る産婆さんの豪快な姿。

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この家族の一日は、長崎市民の8月8日のほんのひとかけらでしかない。映画を見るものには、そのことがすぐわかる。わかるからこそ、このかけら以外の一日の多さ、重さに気づく。

あの時代に生きた人々が迎えることが出来なかった“明日”
来なかった数え切れない明日の先に、私たちの今日がある。

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映画『父と暮らせば』もこの監督の作品。



・・・・And that's the way it is.


gonbe5515


by starforestspring | 2017-11-23 17:50 | 映画・ドラマ | Comments(0)

『旅の重さ』

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「ママ、びっくりしないで、泣かないで、落着いてね。そう、わたしは旅に出たの。」

昭和47年公開の映画。主演高橋洋子。ほか、三国連太郎、高橋悦史、岸田今日子、小野寺(秋吉)久美子。

45年前の映画です。調べみたらこの年は『時計仕掛けのオレンジ』『キャバレー』『猿の惑星』などが公開されています。「ああ、なるほど、あのへんね・・」と、ワープ出来る方も多いことでしょう。

四国、新居浜に住んでる16才の文学少女が、母と母の愛人がむつまじくしてるところを偶然見てしまい、それだけが理由でもないのだけれど、突然家を飛び出し“旅”に出る。その道中にはいろんな人との出会いと別れがあり、家にいた頃は知ることもなかった初めての世界の体験を重ねていくことで、少女から女性へと変わっていく、その過程が描かれます。

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なにしろ昭和47年です。ブルーシートを見上げながら演じてる画が、作品完成後に日本橋から夕日を見つめる画になってたりはしません。みんな生身の人が演じ、そこに確かに存在するものを背景として撮影されています。あたりまえのようでいて、今では必ずしもそうでもないそのことに気づいたとき、高橋洋子さんのモノローグの硬さや、アフレコ丸出しのセリフが気にならなくなり、顎から首に流れる汗が光ってるのや、みすぼらしい漁村の小さな家の、欠けて落ちそうな屋根の瓦などが、不思議に新鮮に映って見えるのでした。

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公開当時は話題作だったのではないでしょうか。なにしろ予告編が凄い。高橋洋子さんが砂浜でフルヌード、レズのからみ、男の唇にむしゃぶりついちゃうシーンなんかを見せられるんですから。中学生だった私がこの予告編を見ていたとしても、この映画を観にはいけなかったでしょうね。自主規制していたにちがいありません。

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それにしても、少女の無謀な一人旅。ツッコミどころは山ほどあるんです。ご飯食べるためのお金はどうしたんんだとか、トイレはいつ行ってんだとか、一人でそんなとこに寝てたら、悪い男がほっとかないだろとか、木村のおじさん、よくガマン出来るねとか。が、それを言っちゃあ野暮ってもんでしょという、まっすぐさがこの映画にはある。そして私はそういうまっすぐさが結構好きだったりする。

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今の若い人なんかは、この映画の世界に、入り込みにくいじゃなかろうかと推察します。平成29年の世から振り返って観てみると、大人だってはにかんでしまうに違いない映画です。しかし、この映画には昭和47年が間違いなく映ってる。47年当時の空気、暮らし、当時の文学少女の青臭さが残ってる。職人の手作り感が残ってる。

記憶に残しておきたい作品だと思います。


・・・・And that's the way it is

gonbe5515





by starforestspring | 2017-11-22 13:16 | 映画・ドラマ | Comments(0)

ふと思う。

仕事帰りのハンドルを操りながら考えた。

最近よく耳にする言葉「心が荒む」
その理由のひとつに、野球の衰退があるのではないか。

キャッチボール。
相手がボールを取りやすい胸元に向けて投げる。
自分の気持ちをボールに込める。
相手の気持ちがこもったボールを受ける。

そのやりとりが少なくなったことが、荒む理由のひとつでは?

「いやいやgonbeさん、それは暴論ってもんでしょう」

暴論結構。
そう思った、そう思えた。だから書く。

キャッチボールの楽しさ、深さって、やった人でないとわからないですよ。

ボールを受け、そして相手に投げる。
向かい合う二人は無言でも、行き交うボールが、二人の気持ちを乗せてグラブに収まる。


言葉がいらない意思疎通。それがキャッチボール。


単純なものにこそ、真理は宿る。


のでは?



・・・・And that's the way it is

gonbe5515




by starforestspring | 2017-11-21 20:14 | 雑感 | Comments(0)

『MOMENT』

私の本の好みは偏りがある。

それは自覚してる。好きな作家の本は追いかけるけど、新しい人を開拓してみようという意欲に欠ける。そんな私が、どういうわけだか、これまで読んだことのない作家の本を選んだ。


『MOMENT』本田孝好著

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ある大きな病院の入院患者の間で、特に死期の近づいた患者たちの間で、ある伝説がまことしやかに伝わっている。それは

「死を間近にした患者の願い事を叶えてくれる人がいる」

「必殺仕事人伝説」と呼ばれ、噂では病院の掃除婦が その仕事人らしい。。。


スリラーか?推理か?サスペンスか?まさかホラーではあるまい。そう思いながらページをめくっていきながら、先ほど読了。いやあ、まいった。


文章のセンスというか言葉の選び方というか、「そうきたか!」という驚きがあちこちにある。いいものを読ませてもらった。最後の一行を読み終えて、しみじみそう思った。


人間、冒険して初めて手に入れられるものがある。勉強させていただきました。



・・・・And that's the way it is

gonbe5515




by starforestspring | 2017-11-20 20:16 | | Comments(0)

焚き火

今日は日本全国、この冬一番の寒さなのだそうだ。北陸富山も、週明けには雪が降るかもしれないとのこと。重い灰色の雲、冷たい雨、湿った雪。いよいよ冬本番のようだ。

会社の庭の楓や欅の葉も、どんどん落ちてくる。竹ぼうきを使って落ち葉を集めていると、思い出すのは一休さん。掃いても掃いても落ちてくる葉。寺の小僧さんにとっては、なによりの精神修養だったことだろう。

毎朝掃除のたびに集まる落ち葉が90Lのポリ袋ひとつかふたつになる。実は私、これを捨ててしまうのが惜しくてたまらない。オッサンの昔語りを許してもらえるなら、集めた落ち葉はかっこうの焚き火の材料であったはず。


最近、焚き火に遭遇することがなくなった。刈り取りの終わった田んぼで、籾とか藁を燃やしているのは時々見るが、あれは焚き火というより処分と考えていいだろう。火をつけた人も、ずっとそばについてるわけではないし、田んぼの真ん中で燃やしてるので、他人が勝手に近づいていくこともならず。

♪垣根の垣根の曲がり角
♪焚き火だ焚き火だ落ち葉焚き
♪あたろうかあたろうよ
♪北風ぴーぷー吹いている

わかりきったことを言うようで申し訳ないのだが、「垣根」というのは、家の敷地と敷地外との境界を示すもの、あるいは境界線。であるから、この童謡に出てくる焚き火は、どちらさんかの家の敷地のすぐそば、人が行き交う“道”で行われているのである。

この歌の情景が現実だった頃、歌詞にあるように焚き火へは誰もが寄っていけたし、好きなだけ暖をとり、適当なタイミングで離れていけばよかった。手をもみ、手をかざし、顔にあたる焚き火の熱を感じながら、一緒にあたっている人たちと挨拶を交わす。私が小学生だった昭和30年代の終わりから40年代にかけて、そういう光景はたしかにあったのだ。

「あたらせてもらえますか?」
「へえ、どうぞどうぞ」
ご近所さんはもちろん、どこの誰とも知らない人がやっている焚き火であっても、誰もが自由にあたることが出来た。


今や、焚き火は日常ではなく、非日常のものになってしまった。
焚き火から出る煙が洗濯物ににおいをつける。玄関から吹き込んで目がいたむ。そんな“迷惑”をご近所さんにかけては申し訳ないという気配りが、ご近所づきあいに欠かせなくなってしまった。


ただもう、無性に焚き火がしたい。集めた落ち場をこんもり積み上げて、煙にゴホゴホ言いながら、火の番をしていたい。道の端っこのほうで焚き火をしてたら、ご年配の方は間違いなくあたりにくるだろう。学校帰りの小学生だって寄ってくるかもしれない。学校で知らないおじさんにむやみに関わらないようにと教わっていても、寒い風が吹き付ける帰り道、暖かい炎は先生の言葉より魅力的だろう。

冷たい冬の数少ない楽しみのひとつだった焚き火。それが出来ないのが口惜しくてたまらない。だもんで、せめてもの埋め合わせに、こんな本を買って、冬が来るたび開いているのだが、悲しいことにこの本を読んでても、ほっぺたが熱くなってはこないのだ。

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・・・・And that's the way it is.

gonbe5515


by starforestspring | 2017-11-19 13:55 | 思い出 | Comments(0)


タベリストgonbe     よしなしごとつづり


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