『半分、青い』は信じていい
父の仕事がなんだったのか、私はよく知らない。私が生まれた頃は、職人さんを何人か使う一国一城の主だったそうだが、もちろん私に記憶はない。やがてその城もくずれ、父は仕事を変わった。そして父の仕事が変わるたび引っ越しをした。小学校は四つ変わった。次また変わるかもしれない。そんな気持ちもあったから、小学生の頃の私はどこか達観した、マセた子供だったように思う。
そんな私だから、マンガや小説などに出てくる“幼なじみ”にとてもあこがれた。そんな私の前に現れた鈴愛と律、菜生にブッチャー。実にほほえましい関係だ。天下のNHKのやることだから、紆余曲折はあるにせよ、最終的には律と鈴愛はくっつき、ハッピーエンドになるのだろう。>それ以外の展開があるとでも?
まだ始まったばかりで、本題はこれからなのだろうから、早とちりはいけないが。ただ言えるのは、このドラマはちゃんとリアルをとらえているということだ。売れない芸人でしかなかった人が、いつのまにか「芸を見る目だけはある」偉い席亭になってた前作とはえらい違いだ。断言してもいい。「ご都合主義とは?」という問題に『わろてんか』と答えたら、間違いなく花丸がもらえる。
私が『半分、青い』をリアルととらえるのは、鈴愛と菜生、鈴愛と律の立ち位置だ。菜生と律は常に鈴愛の右側にいる。右の耳しか聞こえない鈴愛。左側に立たれ、話しかけられても、鈴愛には聞こえない。それをわかってるから、律や菜生は、鈴愛の右側に自分の身をおくようにしている。
律にしろ、菜生にしろ、それはもう意識してのことではなく、それがあたりまえになっているのだ。彼らは幼いころからずっと一緒で、黙っていても相手がなにを考えているのか察することができる。
「鈴愛の左耳はカワイイ」律がそんなことを言うわけがない。きっと誰かの受け売りだ。確信をもって律に詰め寄った鈴愛の判断は、幼なじみなればこそだろう。
おさななじみの彼らが紡ぎだすドラマ。毎朝、これを見るのが楽しみでしかたない。
by starforestspring
| 2018-04-18 12:28
| 映画・ドラマ
|
Comments(2)
Commented
by
ハリソン君
at 2018-04-18 23:25
x
たしかに『半分、青い』は信じて良さそうですね。繊細な脚本と演出で、優しさに深みがあり、なにより笑いのセンスがいい! 前の朝ドラの嘘臭さも、その前の朝ドラのわざとらしさも無い。裏切られることは無さそうです。
0
Commented
by
starforestspring at 2018-04-19 07:54
ハリソン君、おはようございます。
もう、今日の放送分はご覧になったころでしょうか?
晴さんが宇太郎さんに「大丈夫だよね、きっと」そう言いながら寝室の電気のスイッチを切って真っ暗になったあと、画面が明るくなると病院での鈴愛のアップ。
左耳で騒ぐこびとの音を聞こうとして鈴愛の左耳に自分の右耳をくっつける律。
犬を助けたために、受験を逃し落ち込んでいる律の部屋の窓の下で、いつものように笛を吹かず、律が出てくるのをずっと待ってる鈴愛。
律と伊藤さんとが初めてであった時、的の中心を射抜いた伊藤さんが放った矢。
こういうシーンが、私には嬉しくてたまらない。
菜生ちゃんの“隣の的”では、今日一日きっと楽しく過ごせるに違いない・・という笑いをもらいました。
前作がいかに見る人を侮っていたか、この作品を見て、それを改めて感じています。
このまま、最後まで言って欲しい。『カーネーション』のようにはならないで欲しい。切なる願いです。
もう、今日の放送分はご覧になったころでしょうか?
晴さんが宇太郎さんに「大丈夫だよね、きっと」そう言いながら寝室の電気のスイッチを切って真っ暗になったあと、画面が明るくなると病院での鈴愛のアップ。
左耳で騒ぐこびとの音を聞こうとして鈴愛の左耳に自分の右耳をくっつける律。
犬を助けたために、受験を逃し落ち込んでいる律の部屋の窓の下で、いつものように笛を吹かず、律が出てくるのをずっと待ってる鈴愛。
律と伊藤さんとが初めてであった時、的の中心を射抜いた伊藤さんが放った矢。
こういうシーンが、私には嬉しくてたまらない。
菜生ちゃんの“隣の的”では、今日一日きっと楽しく過ごせるに違いない・・という笑いをもらいました。
前作がいかに見る人を侮っていたか、この作品を見て、それを改めて感じています。
このまま、最後まで言って欲しい。『カーネーション』のようにはならないで欲しい。切なる願いです。
川面を見つめて時の流れを知ったタベリストgonbe よしなしごと残日録
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