一命

スティーブ・ジョブスが亡くなった。

さよなら、スティーブ。
ありがとう、スティーブ。

あなたが愛したMacは、これからもずっと、私と一緒だよ。




我が家はふだん、朝はテレビをつけません。

ですが、今日に限って娘がテレビをつけていたんです。
なにか理由があったんでしょう。>その理由はわからずじまい。

そこで興味深いものを紹介していました。
映画『一命』です
“3D”で上映するバージョンもあると声高に訴えておられました。


三池監督というのは、あの『十三人の刺客』の監督です。
覚えておいででしょうか?
あのラストで唖然とした、見終わって力が抜けた、怒りすら感じた『十三人の刺客』の監督です。

この方、どうやら格闘とか、乱闘とか、つまり大勢の人々が入り乱れて戦うシーンを取るのが上手い、得意な監督でいらっしゃるようです。
もちろんそうい得意技、特徴を持つということは個性ですから、堂々と主張していただいて一向に差し支えありません。


でも、“3D”って、どうですか?

さっきいろんなサイトを調べてたのですが、この映画は『切腹』の原作の“再映画化”だそうです。
“リメイク”ではなくて、“再映画化”
なんだか詭弁を弄しているような気がしないでもないんですが、そうおっしゃるならそうとしておきましょう。

私が記憶している『切腹』は、それはそれは哀しい映画でした。
映画好きを自称していながら、この映画をその日まで観ていなかったことを深く恥じた映画でした。

それを“3D”?
要するにあれですか、監督の得意な“大勢の人々が入り乱れて戦うシーン”を3Dで見せようと。
クローズアップするのはそこですか?

あの映画は仲代達矢さん演じる半四郎が、井伊家において非業の死を遂げた息子(娘婿だったか?)の汚名をそそぐために、どのような行動に出たのか、また息子(娘婿?)がなぜ井伊家の門をくぐることになったのか、その背景にこそ映画の主題があるので、最後の井伊家家臣たちと半四郎の戦いは“武士としての半四郎の死”に至る経過でしかないと思うのです。


最近の映画は何でも出来るようになりました。
スタジオの壁に掛けられたブルーシートを見ているだけで昭和30年代の東京日本橋の上から街並の中を沈んでいく夕日を見るシーンを作ることも出来ます。
実際には一人しかいない俳優さんを、何人にも“増殖”して、同時に見せることもできます。
しかしそれらは見せるための手法であって、訴えたい内容ではないはずです。
そういう効果を使うことを否定するのではありません。
そこをプッシュするかのような広告の仕方がなんだかなあ・・なのです。

なんだか“3D”という言葉に過激反応してしまって、挑戦的な文章になってしまいました。

===以下公式サイトからの引用です。

「---前略---三池監督は“動”のイメージがあるが、本作品においては、あえて“静”のイメージで望もうと話をした。それはアクションに重点をおかず、より原作に忠実に、武士の生き様や、人間ドラマを深く掘り下げること--後略-- 」

==引用終わり

この言葉が本当かどうか。
“リメイク”ではなく、“再映画化”とおっしゃる意図を確かめに、
私は映画館に行こうと思っています。

『切腹』を観て、心打たれたものとして、
三池監督がその原作をどう“再映画化”したのかを、確かめに行こうと思います。

そうしなければいけない気がして。。。

   gonbe
by starforestspring | 2011-10-06 10:30 | 映画・ドラマ | Comments(2)
Commented by かわたべ5678 at 2011-10-06 21:23 x
『切腹』は未見なのですが、三池監督版『十三人の刺客』
のラストには、僕も激怒しました。
前半まではメチャクチャ良くて、「これは傑作になるぞ!」
とワクワクしてたら中盤、いきなり艶笑コントが始まって
「えっ?」となり、ラストでまさに唖然呆然でした。
勿体無い!

三池監督という人はどうも真面目になりきれない人で、
照れ隠しにわざと悪フザケしちゃう性質のようで、
『ヤッターマン』みたいな映画だとそれが上手く作用する
のですが、ああいうシリアスな作品だとブチ壊しになる。
それを止められない周りの人達もどうかしてますよね!

だから『切腹』は非常に危ういですね。
最後まで真面目にやり通せれば良いけれど・・・

それと3Dですが、『アバター』を観た時、
立体映像は冒険映画だと楽しめるけど、人間ドラマだと
かえって感情移入の妨げになってしまう事が分かりました。
だからキャメロン監督はわざと単純なストーリーにしたとか。

『切腹』に3Dは、絶対に向いてないでしょうね。
Commented by gonbe5515 at 2011-10-07 09:45 x
>かわたさん
『十三人の刺客』やっぱりそうですよね!

>艶笑コントが始まって
そうですそうです、このシーンは必要なの?とクエスチョンマークが頭の上を飛び交っていましたよ、私。
照れかくしにわざと悪ふざけされたら、出てる役者さんも大変じゃないでしょうか?

>3Dは、絶対に向いてない
そう思います。
そう思いますので、あえて3D版を観に行こうと思っています。

『切腹』は、『つばさ』が終わったあとにでも、機会があればご覧になって下さい。
『つばさ』完走後の“箸休め”にしては、少々重い映画ですが、きっと気に入ってもらえると思います。
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