幸福の王子

今朝、『つばさ』第25週148回まで観ました。
一話一話が、これまで以上に輝きを増してきたように思えるのは、この長かったドラマがいよいよ残りわずかになったことへの興奮からだけではないと思います。
このドラマの制作に関わった方々、出演者のみなさん、そして毎朝(または再放送の時)テレビの前でこのドラマが始まるのを待ちかまえていた人たち。
みんなすごいです。



さて今日は少し違う話を。

昨日の記事に書きましたが、私はO・ヘンリーの『賢者の贈り物』というお話が好きです。

私は・・実は大人になってから、それほど海外の作家の方の作品を読まなくなりました。

とはいえ、
子供の頃に読んだルブランやドイル、ポーには夢中になりましたし、ロフティングの『ドリトル先生』シリーズはそれこそむさぼるように読んだものです。

そんな子供の頃の私の心を引きつけてやまなかった作品がみっつありました。
ひとつは昨日ご紹介した『賢者の贈り物』
ふたつめはサン=テグジュペリ 『星の王子さま』
そしてもうひとつがオスカーワイルドの『幸福の王子』


貧しく、困ってる人たちに自分の体についている宝石をつばめに持っていかせる王子の像。
南へ渡る時期がきているのに、王子の懇願を受け入れその日を一日一日と遅らせ、やがて自らの意志で街に残る決心をするつばめ。

王子とつばめの出会いと会話。
王子の足下で眠るつばめ。
なにも見えなくなった王子。
王子の目になったつばめ。
貧しい人たちに分け与えるために、どんどんみすぼらしくなっていく王子。

本当に、私はこれを読みながら、「こいつ、どこまでおひとよしなんだ!」と心で叫んでいましたよ。
私には、王子は像ではなくて、人格をもった人間に見えていたわけですね。>ああ、純粋だったあの頃。

つばめの死。
王子の涙。
割れた心臓。

そして街のお偉方たちの王子とつばめへの悪口雑言。
ほんとにこいつら、なんにもわかっていない!と、やはり私は心で叫んでおりました。

ラストには救われました。
ええ、ほんとうによかったと思いましたよ。

「天はご覧になっている」

私はイエスもブッダもアラーにもご縁はありませんが、
「天」と「精霊」だけは心にとどめて暮らしています。


その理由のひとつは、間違いなくこの『幸福の王子』です。


   gonbe
by starforestspring | 2011-07-07 23:00 | | Comments(0)
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