子ども手当て

子ども手当て
この法案の目的は“少子化対策”とのことだ。
現在の日本は年寄りが増え、子供が増えない。
このままでは近い将来若者に大きな負担を強いることになるのは明白。
今のうちに子供を生み、育てやすい環境を整えることで、出生率を上げ、子供を増やそう。
そのために子供一人につき、26,000円を支給することにしましょう。
>初年度は半額の13,000円。

はしょって言えば、これが子ども手当て。>合ってますよね?

子供ひとりにつき26000円支給しますよ・・という制度が、子供を増やすのに効果的かどうか。
これがこの法案の是非を問うのにもっとも単純な問いになると思う。
「26000円もらえるなら、子供を作っても生活していけるから安心ね」と喜ぶ人はいるのかどうか・・だ。

子供を育てるのに不安な点のひとつに子育てにかかる費用というのは確かにある。
あるが、より重要なのは子供と子供を持つ親をとりまく環境ではないだろうか。
共働きの夫婦に子供が出来た。
その多くは子供を保育園に預けることになるだろう。
ところが、保育園はだいたい夕方6時(7時)までに迎えに行かなければならないのだ。
公務員はさておき、夕方6時に間違いなく保育所に着けるように仕事を終えることができる民間企業がどれほどあるというのか。
また、保育所は日曜日には子供を預かってくれない。
日曜日が休みではない仕事についてる親はどうすればいいのか。。
子供を迎えにいくために、日曜日に子供の面倒を見るために、正社員の職をあきらめ、給与も低く、ずっと続けられる保障もないパート職を選ばざるを得なかった人もいるだろう。
※職場のほうで、それを配慮してくれれば話は別だが。

そういう家庭に26,000円支給して、親は喜ぶだろうか。
「それならもう一人・・」と考えるだろうか。
たぶん考えはしまい。

たとえば保育所の職員の拡充を図り、保育時間の延長が可能になるようにするとか、
日曜日に子供を預けなければならない家庭の受け皿、たとえば救急医の当番制のような、保育所の当番制をつくるとか、
子育てがやりやすい“環境”を整えることこそ、大切なのではないだろうか。

ましてこの制度には“所得制限”がない。
年収300万円の家庭も、1000万円の家庭も区別はないのだ。
どうしても現金支給でというのなら、せめて“喜んでくれる”ところに支給すればどうだ?


先日新聞で、こんな記事を読んだ。
「兵庫県尼崎市に住む50歳代とみられる韓国人男性が、養子縁組したという554人分の子ども手当約8600万円(年間)の申請をするため、同市の窓口を訪れていたことが分かった。市から照会を受けた厚生労働省は「支給対象にならない」と判断し、市は受け付けなかった。」

一見申請をした韓国人男性が非常識のように思えるが、それは違う。
そういうことが出来てしまうシステムに問題があるのだ。

厚生労働省のHPから抜粋
--ここから
子ども手当ては、次のいずれかに該当するものが日本国内に住所を有するときに支給するものとすること。
(一) 子どもを監護し、かつ、これと生計を同じくするその父又は母
(二) 父母に監護されず又はこれと生計を同じくしない子どもを監護し、かつ、その生計を維持する者
(三) 子どもを監護し、かつ、これと生計を同じくするその父又は母であって、父母に監護されず又はこれと生計を同じくしない子どもを監護し、かつ、その生計を維持するもの
--ここまで

人数の制限、親の収入の制限、実子か否かの制限、何にも無い。
まして、“養育者”の国籍、“子ども”の国籍も定められていない。
上記の韓国人の請求を拒否できる理由はどこにもない。

たとえば、一夫多妻制の国で暮らしている男性。
5人の妻がおり、それぞれの妻には子供が4人ずついる。
彼が日本にやってきて、役所に申請すれば、間違いなく26000円×20人=520000円が毎月転がり込んでくる。
彼が日本に滞在するための経費、家賃だとか食費だとかを差し引いた残りのお金はぬれ手に粟のお金だ。
それを、本国に送金してるかどうかも問われはしない。
そのお金は、日本人である国民の税金なのに。

繰り返して言うが、システムに問題があるのだ。
法の盲点をついているのではない、堂々と正面突破しているのだ。

単純に金をばらまくより、
たとえば産婦人科の医師を育てるために使うとか、
保育士、保育園を増やすために使うとか、
収入が低いために、育児にお金を使えない家庭のために使うとか、
もっと他に方法があると思うのだが、どうだろう?


先日ある国でジーンズを作ってる工場のドキュメンタリーを見た。
そこで働く10代の工員たちの時給は日本円にして7円だそうだ。
一日18時間働いて日給126円。
日本だったらとんでもない話だが、かの国ではあたりまえのよう。
その工員たちの親が日本にやってきて、たとえば真面目に国に月26000円×子供の人数分を送金したらどうなる?
1日の収入が126円、月25日働いたとして、3,150円。
その工場での8ヶ月分の賃金がたったひと月で手に入るのだ。
これと同じような話が他の国にもあるかもしれない。
そういう国の人々が我も我もと日本にやってきたらどうなる?
どの町の役場にも、外国人の行列ができる。
役場では世界中の言語に対応できるように通訳を雇わなければならなくなるだろう。

もういちど、厚生労働省のHPを見てみる。
支給要件
(一) 子どもを監護し、かつ、これと生計を同じくするその父又は母

支給対象が父又は母・・・。
ということは、
実の両親も、養父母もいない、日本に住む日本人の子供には支給されないということですよね。

「友愛」
その甘美な響き。
それは、どこの誰のためのものなのですか?

   gonbe
by starforestspring | 2010-05-07 23:59 | 時事 | Comments(0)
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