マウンドに立つ野球解説者 鳩山由紀夫

まもなく民主党が政権をとる。
広い目で見ればこれは、日本の政治の在り方にとっていい目がでたのかもしれない。
が、
「やっぱり自民党でないとだめなんだ」
という挫折感を、改めて国民に植えつけてしまうことになる可能性も含んでいる。

これまで、政治は自民党のものだった。
野党は、
自民のやることに反対することが、己が党の存在意義だった。
憲法しかり、対米政策しかり、消費税しかり、社会保険しかり。
その他数え上げることに疲れるほど反対しまくってきた。
しかし反対は実を結ぶことなく自民の思惑通り政策は進められ、
その結果日本の社会、国民はそれなりの安定を保ってきた。

自分の主張が実現できないことを知った上で言うことに、責任は伴わない。
人のやることに文句をつけるのは簡単。
「じゃ、おまえやってみろ」と言われたときに、慌てずにすむ準備がこれまでの野党にあったか?

「結局軸がぶれてるから打てないんですね、ボールを迎えに行ってはいけません」
「キャッチャーのミットは低めだったのですが、高めに浮いてしまいました。これでは打たれます」
ナイター中継を見なくなって30年くらいになる。
解説者のセリフのひとつひとつがイヤでしょうがなかった。
彼らの言うことに耳を塞ぎたかった。
いったいあんたは何様?
なにをえらそうに。
結果みてからだったら誰でも言えるやろ。

これまでの野党はナイター中継の解説者に似ている。
安全な場所で、結果を見てそれらしいことをいっていれば良かった。
それでメシを食ってた。

これからは、バッターボックスに立たねばならない。マウンドに立たねばならない。
立つだけではなく、来たボールを打ち返し、ヒットやホームランを打たないと観客は許してくれない。
バッターを抑えて無得点でしのがないと、チームは負けてしまう。
自分自身が投げ、打ち、結果を出さなければ観客はそっぽを向いてしまうのだ。

ちょっとイケズな気持ちで民主党の登場をながめている。
民主党に託した多くの国民はこのルーキーに期待しているのだろう。
期待が大きい分、期待どおりにならないときの反発も大きい。
それこそ“手のひらをかえした”ように。

だってこの国の多くの人たちは、己が信念に基づき政党を選び、
選んだことに責任を持つという行為に慣れているとは思えないのだもの。

言うだけで良かった立場から、実行し結果を出すことを求められる立場に。
文句を言いちらかしながらいく先々で政党を作り、
次々にぶち壊していった人を重要ポストにいただくことが及ぼす政局運営への影響は。
そういう面での不安がまずある。
なにより、些末な部分の意見の違いならまだしも、
根幹となる部分での違いを抱える党との連立を実現しようとしていることが、信じられないでいる。
民主党は、もともと反自民という共通項での寄り合い所帯なのだが、
それにしたって、党として過半数をとったにも関わらず
意見を異にする一桁の議席しか持たないところと手を組むことのメリットがわからない。

ピッチャーの投げたボールにかすりもせず三振。
投げるボール投げるボールことごとく打ち返され火だるまになってマウンドを降りる。
ベンチに帰る途中観客に罵声を浴びせられペットボトルを投げつけられ、
試合途中にして観客が帰ってしまい、以後閑古鳥の鳴くスタジアムにぽつんとたたずむ。

そんなことにならないように願っている。

二大政党による政治運営。
それは、やはり健全なものだと思うから。
それによって国民も、政治に対する責任を自覚できるようになると思うから。

   gonbe
by starforestspring | 2009-09-01 21:37 | 時事 | Comments(0)
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