鴨川 3

生まれた場所は京都駅の裏、八条。
ずっとそこにいればまた違った人生だったのでしょうが、
父のおかげで(せいで)あちこちと引っ越すことになる。
入学した学校は砂川小学校。
一年とちょっとは、いたのかな?
そのあと一橋小学校に転校。
で、3年になって養正小学校に転校。
これで終わりかと思ったら、5年生になって山科に移り、勧修小学校に。
以後、そこで落ち着くことになります。

出町柳はなかなかにワイルドな町でした。
映画パッチギに出てくる在日の同級生も数人いたし、
町を歩いてると、今ではちょっとお目にかかれないようなおじさんおばさんがたくさんいたし。

ある日、友だちを遊びに誘うと、
「おまえと遊んだらアカンて、おかあちゃんに言われてん」
と言われてしまった。
「なんで???」と心の中ではクエスチョンマークが飛び交ったのだが、
ダメといわれたのなら、ひきさがるしかしょうがない。

こういうことを言う友だちは他にもいたのです。
もちろん自分自身に思い当たることはありません。
いじめっ子ではなかったし、乱暴な子供でもなかったし。。
遊ぶとアホがうつる・・というほど成績が悪いわけでもなかった。
友だち本人が私を嫌ってるわけではなかったのです。
“親が”私と遊ぶな・・・と。

その理由は山科に移ってからわかりました。
中学生になり、日本の歴史を学ぶようになり、いろんな本を読むようになったとき、
初めて友だちの親が私と遊ぶな・・と言った理由を知りました。
「そういうことか・・・」と納得出来たとき、友だちの親たちの顔が
次々に思い出されましたよ。
この経験はその後の私の考え方に少なからず影響を与えることになりました。
もちろん、反面教師としてですが。

広場で野球をしていて、打ったボールが柵を越え、駐車している車のフロントガラスを割ってしまったこと。
広場にあった大きな木に「秘密基地」を作ったこと。
鴨川の橋の下で、雨宿りをしたこと。
養正から勧修に移るとき、「これ持って行き」と、担任の先生が真新しい角川国語辞典をくれたこと。
公民館でエレキを弾いてる近所のおにいちゃんたちの練習風景をのぞいてたこと。
広場で遊んでいて、一緒に遊んでいた友だちが、遠くのほうに上がる煙をみつけ、
「火事や!」とみんなでその煙の場所まで行こうとしたこと。
>一乗寺までは走ったのですが、そこでスタミナが切れ、引き返しました。


去年訪れたとき、あの広場は駐車場になっていました。
基地を作った木もなくなっていたし。
フロントガラスをこなごなにしてしまった車の持ち主の店はどこだったのか思い出せませんでした。

けれど、見上げるとそこには相変わらず大文字山があり、
すぐのところに鴨川が流れ、橋を渡ると下鴨神社。
耳をあてて、電車がくるのを待った叡電のレールは、今も同じところを走っています
町の様子は変わり、住む人も変わり、新しい人たちもたくさんこの町に暮らすようになったのでしょう。
私が過ごしたあの出町柳の近辺は、活気にあふれてました。

養正小学校
出町柳。
アベック広場。
下鴨神社。
そして鴨川。

“少年時代”
そう呼べるのは、この町に暮らしたあの頃のことだ。
そう思っています。

   gonbe
# by starforestspring | 2009-07-14 06:53 | 京都 | Comments(0)

一人の道

以前ピンクピクルスの
一人の道という曲について書いた。

Youtubeでそれを見つけた。
ご存知ない方、
私の投稿を読んで、なんのことだかわからなかった方、 ここで聴いて下さい。

一人の道

この音源は当時の実況中継が入ってる貴重なものです。
ピクルスのCDには、この実況が入っていません。
この実況があるおかげで、円谷さんが競技場に入ってきた姿、
ヒートリーが後ろから迫ってくるところ、
そして一気に抜き去られるところ・・

そのシーンが鮮烈によみがえってくると同時に、
あの時代のにおいというものまでもを、思い出すことが出来ます。

・・・・今日も布教の日となってしまいました。
   gonbe
# by starforestspring | 2009-07-13 08:42 | 音楽 | Comments(0)

ナターシャの曲紹介

びっくりした。
こんな映像を見つけた。

ちょっとだけ恋人

おおスザンナ

道連れは南風
 ↑
この曲は隠れた名曲。
特にこのフレーズは泣けます。

♪光の中のカタツムリ  せめて夢を背負いながら
♪歩いてゆくよこの道を  君に会えるまで
♪道連れは南風 道連れは南風

ナターシャを知らないひとのために、
知っていても最近聴いてない人のために・・・

春を待つ少女

私の子供たちへ



LPのジャケット、思い出します。
シングアウト、ひとりひとりの声に、ひとりひとりの心を探してしまいます。

初恋
しょうごさんと、じゅんじさんの映像。
なんて言えばいいのだろう。
この二人の姿をここで見て、なんて言えばいいのだろう。
しょうごさん!じゅんじさん!
;;;;;;

再会

宵々山コンサートで再結成されたナターシャ。
そのステージで歌われたこの曲を聴いて、涙した人も多いはず。
私は今でも泣いてます。
しょうごさん、じゅんじさん、ともやさん、そしてたかすけさんを思い出しながら。


最後に、私の戦争観・・というか、人生観を変えた曲。
これを聴いたのは、84年の松山市民会館。
労音のコンサートでした。
ステージで歌ってるナターシャを見ながら、身体が震えました。
労音に出入りしてた関係で、この時のライブを録音したテープをもらうことが出来た。
最近、劣化が激しくなったのでCDに落とした。これで安心。
一生の財産です。

戦争を知らない子供たち ’83

今日は布教の日とさせていただきました。

   gonbe
# by starforestspring | 2009-07-12 09:28 | 音楽 | Comments(4)

鴨川 2

川の流れる音、電車の音、クラクション、
そんな音を聞きながら、鴨川河原を歩く。
見上げれば川床。夜ともなると、それらに灯りがともり、
三味線の音が聞こえたりすることもある。
鴨川の河原は、夏が蒸し暑い京都では数少ない、
さわやかな風がくる場所なのだ。
市民憩いの場所・・・・
と言ってしまったら大げさかもしれないが、まあそういう場所だ。
だから多くの人が集まってくるし、
そこかしこに腰掛けて休憩している人がいる。

当時と今とでは、もちろん街の様子も違うだろう。
しかし今でも、私にとっての京都、故郷というのは、
ナターシャの歌、「街」そのままなのだ。

♪下駄の音 路地裏通り 雨上がりの屋根
♪窓越しの手まり唄 おさげ髪の思い出
※この街が好きさ 君がいるから
 この街が好きさ 君の微笑あるから

♪街の角 喫茶店 古い美術館
♪山かげの細い道 初恋の涙

♪夕焼け雲 五重の塔 石畳の鳩
♪プラタナスの道で 君を待ちながら

♪大学通り 流れる川 走る路面電車
♪背の低い山を見て 君と僕の明日


 高石ともやとザ・ナターシャセブン 「街」

7月になると、京都中心部では、祇園囃子が聞こえ出す。
祭りのクライマックスはもちろん17日の山鉾巡行で、
この日一日だけを祇園祭と思っている人も多い。
一般の人が見て回っておもしろいのは宵々山(15日)あたりからだろう。
鉾は組み上がって見事な姿を見せているし、
家々の古い骨董などが飾られているのを見ることも出来る。
>屏風祭りというらしい

8月。大文字の送り火が16日。
出町柳あたりでは、大文字山が間近に見える。
送り火の日には、団地の屋上に人が集まり、送り火を見ていた。
少し高いところに行けば、舟形や鳥居形も見える。
夏の風に吹かれながら見た大文字のオレンジ色の炎。
見に行かなくなってもうウン十年経つ。
こうして振り返ってみると、
京都という街の存在感(下鴨神社。鴨川。御所。北白川。吉田山。。。)が
生活の中に大きな位置を占めるようになったのは、
この出町柳時代からだということがわかる。

また続きます。

   gonbe
# by starforestspring | 2009-07-11 17:20 | 京都 | Comments(0)

鴨川

京都市を流れる高野川と賀茂川。
この二つの川が合流して鴨川となる。
その合流地点は出町柳、叡電の駅があるところ。
ちっちゃな駅です。

この出町柳のすぐ北の団地に住んでいたのは小学校3年生から5年生の間。
通った学校は養正小学校。
短い期間だったが、毎日が楽しかった。>ような気がする。。
近くにある下鴨神社にはしょっちゅうでかけたし、
なにより鴨川は、絶好の遊び場だった。

鴨川はそれほど深くはない。
流れは速いが、危ないところにさえ行かなければ、子供でも流される心配はない。
この川には“瀬” (高さ1mぐらいの滝のようになってるところ)があり、
瀬の近くは、子供にとって一番遊びやすいところだった。
瀬のあたりは、ほとんど水深がないので、そこを歩いて向こう岸まで渡ることも出来た。
岩や木ぎれで囲いをつくり、ちいさな川魚を追い込んだり、
足にくっついたヒルに驚いて、必死になってひんむいたり。
足を滑らせて瀬の真下に落ちてしまい、全身ずぶ濡れになったことがある。
今も鮮明に覚えている、懐かしい事件。

鴨川は、京都市民にとって、大切な川なのだと思う。
出町柳から少し下がると、三条大橋・四条大橋がある。
人通りの絶えることのないこの橋の上から下を見ると、鴨川。
けっこういるんだ、下をのぞいている人が。
橋を渡る人のほとんどは、“目的地”があり、急ぎ足で橋をわたるのだけれど、
これといって行くあてもない、急がない人。
そんな人が川を覗いていたような気がする。
急ぎ足で歩き、渡る人よりも、川の流れをぼんやり眺めてるひとのほうが、好きだった。

鴨川といえば、アベック広場。
この名称は観光マップには載っていない。
当時の我々の仲間うちでのみ、使われていた。
アベック広場は、高野川と賀茂川が合流する地点の、三角形の洲のことを指す。
ここがちょっとした公園になっていて、けっこうアベックのたまり場になってたのですね。
なんといっても小学生ですから、アベックはあこがれでもあり、好奇の対象でもあり。
男が彼女のひざまくらの上で寝てる・・なんて言う図は、定番中の定番でしたし、
女の人の肩を抱いて、なにごとかささやいている男もいましたし、
子供からみて、何をやってるのかわからないようなことをやってるカップルもいたし。
>今なら、彼らの行為の意味がわかるのですが。

この広場、パッチギという映画のクライマックスシーンで使われていた。
この映画は、京都を舞台にした映画で、出てくるところ出てくるところ、
ほとんど“あそこ!”と指定できる場所だった。
とくにこのアベック広場のシーンは食い入るように見た。
懐かしい。とにかく懐かしい。そんな思いで、笑いながら見ていた。

明日に続きます。

   gonbe
# by starforestspring | 2009-07-10 21:25 | 京都 | Comments(1)


川面を見つめて時の流れを知ったタベリストgonbe     よしなしごと残日録


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