こんな願いを持ったとしてもバチは当たるまい

私が生まれて育った長屋は、京都によくある鰻の寝床。
玄関を開けると三和土があり、裏にある小さな庭まで一直線。左側はおくどさんと洗い場。右側の一段高いところに畳敷の部屋。天井は高く、明かり取りの天窓が四角く空を切り取っていた。

今でも京都には、そういう家が多く残っているらしい。
足元から寒さが立ち上ってくるあの長屋での暮らしが、私には今もなつかしい。
東本願寺の屋根を遠くに望み、京都タワーを見上げて学校への道を通ったあの時代、あたりまえにあった風景はもう遠い遠い過去のものになった。大阪、松山、富山と住むところを変えた私に、京都は過去の町になってしまった。

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京都駅は斬新な駅になり、地下鉄が出来、欧米人よりもアジア人の観光客のほうが多くなった今でも、鴨川の流れは止まらず、東山はいまも手が届くところにあり、御所の門をくぐれば、白い砂利と静寂が迎えてくれる。そして祭りは私が子供のころとおなじ姿のまま、変わらず続いている。

私は京都で人生を閉じたいという願望をひそかに抱いている。鴨川の流れを見つめ、東山を横目に町の喧噪の中をすり抜けながら、小さな店で買い物をし、お茶を飲む。杖をつきながら、参道を歩き、イカレた若いもんたちを見て舌打ちしながら世を嘆き、三条の橋の上から遠く東海道へ思いをはせる。そんな老後を過ごすこと、それが私の願いだ。

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天命に従って命を終えるしかないのだけれど、自分の意志の元で生きる時間を制御することが出来たら、そんな幸せなことはないんじゃなかろうか。

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立山連峰より、東山三十六峰が私は好きだ。
積もる雪より、屋根を彩ったあと日の光とともに、消えていく雪が好きだ。
しめった寒さより、頬を切る冷たさが好きだ。


♪大学通り 流れる川 走る路面電車  
♪背の低い山を見て 君と僕の明日
♪この街が好きさ   君がいるから  
♪この街が好きさ 君の微笑みあるから

  高石ともやとザ・ナターシャーセブン 『街』より抜粋


・・・・And that's the way it is

gonbe5515








# by starforestspring | 2017-11-17 18:58 | 京都 | Comments(0)

『ララランド』余話

ニョーボが見たいというので、『ララランド』をDISCASで借りた。私が映画館に観に行ったとき、彼女は仕事の都合がつかなくて、一緒にいけなかったのだ。

DVDが届き、休日にそれを観たと言うから、「で、どうやった?」と聞いてみた。

「高速道路のシーン・・」

「うんうん、みんなで踊り出すとこね、遠くに見えるのがハリウッド!」

「・・・車のボンネットって、へこまないものなの?」

「へ?」

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いやあ、さすが我がニョーボ、目のつけどころがシャープだわ。
思いもよらない指摘をされて、ツッコむこともボケることも出来ず、絶句してしまった私。関西人の血はすっかり薄まってしまったようだ。残念無念。

本人の前では控えたけれど、心の中で笑った笑った。
それでも、このコと結婚してよかった、そう思えた一瞬だった。



・・・・And that's the way it is

gonbe5515



# by starforestspring | 2017-11-16 20:24 | 映画・ドラマ | Comments(0)

刺激

長く生きてても「おお、そうだったのか!」と、膝を叩くような事実を知るのは楽しい。

会社からの要請があり、「運行管理者基礎講習」というのを3日間受講してきた。定年まで1年を切った社員に受講させてどうすんだと問い詰めたら「まあとにかく受けてこい。受講料と交通費は会社持ちにしてやる」ということなので受けてきた。

これが3日間、朝から夕方まである、結構真剣な講習なのです。それも当然、国家資格なんですってね、運行管理者って。今回受けたのは、資格試験を受けるための条件を満たす為のもので、講習を受けたからと言って、資格を得られたわけではない。試験は来年の3月。合格率は3割くらいだそうな(全国平均)。

久々に勉強らしいことをした3日間、普段とは違う勉強が出来ておもしろかった。いつも同じようなことしか送り込まれてない脳に、刺激を与えるのっておもしろい。

旅客を安全に運ぶために、国がどれほど心配してるのか、その片鱗がわかった。運転する人も、運転させる人も大変なんだと。それもこれも、乗客の命と財産を安全に運ぶためなんだと。


勉強になります!
日々の業務、本当におつかれさまでございます。
オフの日には、ゆっくり心と体を休めてください。


♪あんたがアタイの 寝た男たちと
♪夜が明けるまで お酒飲めるまで
♪アタイ男をやめないわ ムムムムム~


   西岡恭蔵 「プカプカ」より抜粋



・・・・And that's the way it is.

gonbe5515





# by starforestspring | 2017-11-15 18:59 | 雑感 | Comments(0)

横綱の暴行

ベルギー戦は明日の早朝でした。ライブでは見られないので、録画しておきます。元世界ランク1位のベルギー、どんなチームなのか楽しみです。トルシエ監督の時に、日本のファンにはおなじみになったスリーバックシステムを採用してるそうです。しかもその戦術について、チーム内で不協和音が聞かれてるという報道がありました。実際のところがわからないので何とも言えないのですが、誰しもが不満を持たない戦い方っていうのはないと思うし。

どんなチームにするかを決めるのは監督です。監督が目指すチームにするために選手を集めるわけですので、招集されたときに、イヤならイヤと返事をすればいいだけのこと。。


さて、九州場所が始まって、大相撲中継を「録画予約毎日」にセットし、仕事から帰ったらグラス片手にスイッチオン・・を楽しみにしてる私ですが、今日のお昼にニュースを見て驚きました。日馬富士、貴の岩への暴行を認め、今日から休場とのこと。


「またかよ!」

これが私の感想です。

勝負が決まってからのガン飛ばし。無用のだめ押し。黒のサポーター。一度ならず二度三度やってしまうのは、かつての“好き放題勝手放題勝ちゃあいんだろ!文句いってんじゃねえよ!” 横綱を思い出させておりましたが、ああ、やっぱりこの人も、横綱という地位にいるべき人じゃないのかと。

ビール瓶で殴ったってのがホントなら、これは傷害罪でしょう。同じ国から日本に来てる後輩力士にビール瓶ですか。酒が入った上でのことなら、尚問題は大きいと思います。

“品格と抜群の力量”これが横綱に推挙する際の条件だそうです。
でも横綱の品格云々より先に私は言いたい。
柏手(かしわで)とか、注連縄とか、塩とか、相撲は神事そのものであるのです。だからこそ、勝負がついたあと、ガッツポーズをしたりしてはいけないし、勝負の前と後、勝っても負けても礼を交わす。そんな相撲の最上位を占める位置にいる者は、カミの化身であるわけで・・・。

ビール瓶を同じ力士の頭の上に振り下ろすようなカミさまを私は見たくない。
ケガを理由に巡業サボってサッカーもひどかったけど、ビール瓶で傷害って。。。しかも酒の席。


即刻引退勧告をお願いしたい。>横綱審議委員会殿
私は言葉ではいいあらわせないくらい腹をたてているのです。こんな横綱がいることに。こんな横綱を存在させつづけるのなら、横綱審議委員会の存在意義も問われるべきだと思うのですが、いかが?

最後に・・・・
日馬富士よ、昨日の碧山関の土俵を見たか?取り組みで右足首をケガして、一人で立てず、係の者の肩を借りてようやく立ち上がる。足を引きずり、土俵上で隠岐の海と向かい合って礼、花道を去る前に、土俵に向き直って礼。このふたつの礼は力士としてはあたりまえのこと。だけど、一人で立てないほどのケガを負ってもなお、土俵に対する敬意を忘れなかった碧山に、私は相撲に対する真摯な姿勢を見て、感動したよ。これまでも好きだったけど、これからもずっと応援すると、私は手をたたきながら誓ったんだ。

日馬富士よ、碧山は、あんたと違って立派な力士だよ。病院に行って、爪の垢をもらってくれば?


・・・・And that's the way it is.

gonbe5515







# by starforestspring | 2017-11-14 20:26 | 時事 | Comments(0)

サッカー代表のユニフォーム

先日のブラジル戦をご覧になった方々はお気づきと思うがサッカー代表のユニフォームが変わった。ドーハを知る世代はどうしてもあの頃のユニフォームへの思い入れが強いのだけど、今度の変更は『そんな昔のことは忘れてしまえ!』とたしなめられてるような気がしないでもない。

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しないでもないのだが、逆になんでそんなに頻繁にデザインを変えるの?と問いただしてもみたい。昔からずっと同じデザインのほうが、愛着も増すし、過去の名選手が着たのと同じユニフォームを着ることで、新しい代表選手は気持ちの高ぶり、代表としての誇りを感じることが出来るのではなかろうか。

変えるのなら、チマチマした変え方ではなく、色からなにから全部変えるくらいのことをやったらどうだろう。もう、青はいいんじゃないの?他の国がそうであるように、やはり国旗をモチーフにしたデザインを取り入れるべきだと思うのだ。白と赤。かぶってしまう国も多いけど、それはそれ。国民に親しみのある色を使うべきだと思うのだ。

今回の変更、青が基調なのは変わらないので、気分一新とはいかないだろうけれど、サイズが大きくなった背番号と、文字が太くなった名前とを背負って、明日の試合をがんばってほしい。

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相手はベルギー。
ここも強いぞ。


・・・・And that's the way it is.

gonbe5515



# by starforestspring | 2017-11-13 20:31 | 雑感 | Comments(0)

カマドウマとの遭遇

コミック『海街ダイアリー』はストーリーや家族、周囲の人たちとの関連性など、わかりやすい物語だったけど、ひとつだけわからないことがあった。

「カマドウマ
鎌倉の香田家の風呂場に出没する昆虫で、次女佳乃はこいつが大の苦手である。後ろ脚が長くて、触覚も長くて。実は私、恥ずかしながらこいつを見たことがなくて。そしたら、昨日初めてお目にかかりましてね。私の勤める会社のロビーの大理石の床に、なんだか黒っぽいもんが足を滑らせながら歩いてるのです。(床、磨いてるからなあ)最初、なんだかわからなかったのですが、近づいてみると「ああ、こいつがあの!」と感激。しばらく追いかけ回し、動かなくなったところをiPhoneで撮影しました。


こいつです。


・・・・と、一旦は写真を載せてみたのだけど、パソコンの画面に大写しになったカマドウマの写真をつらつらながめるに、ハリソン君が載せてくれるグラビアアイドルさんたちの写真とは違い、大勢の人が反射的に目を背けるに違いなく、非難の声は上がっても賞賛されることはなさそうだと判断し、不本意ながら削除しました。


なるほど、佳乃が毛嫌いするのも無理はない。
wikiで調べてみたら、なんだかお気の毒な呼ばれ方してます。
「不快害虫」
「便所コオロギ」

なにもそこまで・・・と思いますが、確かに見てて気持ちのいい虫ではない。実際、ウチの会社の女子社員(床に這いつくばるようにして写真を撮ってた私を見かけ、不審に思って近づいてきた)に「カマドウマくんです」と紹介したら、見るなり後ろに飛びずさったものなあ。


まあ、正直私も、この写真をスマホの待ち受けに使おうとは思いません。

wikiほか、検索でヒットした記事を読んでみましたが、泣くこともせず、いきなり飛び回ることもせず(そもそも飛べないそうな)、なんでも食べて、暗くて狭いところが好き。動き回るのは夜と、人間に嫌われる理由がわかりません。気性の穏やかな、いいヤツそうじゃありませんか。

さて目の前のカマドウマくん、どうしたものかとしばしの思案ののち、長い後ろ足の両方を人差し指と親指でつまみ(その瞬間、くだんの女子社員は叫び声を上げた)、庭の植え込みまで連れてって放逐しました。カマキリやトカゲと遭遇せず、寿命を全うすることを念じて。

せめてそれくらいのことを願ってやってもバチはあたらないでしょ?



♪帰る人より残る人の終わりのない顔
♪やさしい冬がもしあるならそれも見てみたい
♪長い手紙はとりとめもなくただ長いだけ
♪さめない夢を背中に受けてひたすらひたすら

  泉谷しげる 『寒い国から来た手紙』より抜粋



・・・・And that's the way it is.

gonbe5515





# by starforestspring | 2017-11-12 18:56 | 雑感 | Comments(0)

『ポテチ』

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濱田岳くん。
なかなか味わいのある俳優さんで私は好きなのだが、彼が出演する映画で、またひとついい作品を見つけた。

『ポテチ』
原作は伊坂幸太郎さん。監督は中村義洋さん。映画『フィッシュストーリー』と同じコンビ。

小説を原作として映画になった作品があると、「原作のほうがおもしろかった」「映画の主人公は、原作のイメージと違う」などという、原作と映画との比較論議がよく出てくるのだが、私は実に不毛な行為だと思っている。

そもそも小説は文字、映画は映像と、表現方法が違うのだから、二つを同じまな板の上に並べること自体おかしい。小説は小説としておもしろいかどうか、映画は映画としておもしろいかどうか、それだけの話でいいではないか。


で、この映画(DVD)は一昨日観た。
68分という、映画にしては驚くほど短い。あっという間に終わる。ご出演は濱田岳くん、木村文乃さん、大森南朋さんなど。なんというか、とてもユルい映画で。濱田くん演ずる今村クン、大森クン演ずる黒澤さん、いずれもしゃべり方に抑揚が少なく、しかものんびりしてるもんだから、聞いてるとぬるめのお風呂に入ってる気分。

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大きなしかけがあるわけでもなく、派手なアクションシーンがあるわけでもない。ただ淡々と進む物語の中に、ちょっとした伏線があり、小さな偶然によって巻き起こされる不思議な事件があり・・・。

うまく出来たお話だと思います。3時間も4時間もある長編を、じっくり鑑賞するのもいいですけれど、こういう“短編”で、なるほど・・とうなずいてみるのも悪くはありません。とにかく大げさな話ではないので、お気楽に。チョイ役で松岡茉優さんがご出演だったのですが、最初のご登場シーンですぐに彼女だと気づかなかった私を、誰も責めはしないと思う。

唯一ツッコミを入れるとしたら、球場での試合の様子。あれでプロ野球の試合というのはあまりにショボすぎでしょう。いくら地方球団と言っても。。
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映画観終わってから、Amazonとかのレビューを読んでたら、通行人役で竹内結子さんが出てたらしい。こいつを見逃してしまったので、もう一度借りて確認しようかと、思案中。


なお、小説は映画を観た翌日(つまり昨日)、会社の近くの図書館に走って借りてきて、家に帰ってから一気読み。(映画と同様、短編ですから)こちらもおもしろかったです。私は映画を観てから小説を読みましたのでそれほどだったのですが、映画を観る前に小説を読む人は、話の冒頭でコロッとだまされてしまい、「なんだよ、そういうことかよ!」と、だまされたことに笑ってしまうでしょう。

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短編を書くのは、長編を書くのと同じくらいむずかしいものだそうです。おつかれさまでした、伊坂選手。映画も、小説も観てよかった、読んでよかったと思える作品でありました。



♪手ひらけばそこに 五本の指があり
♪ふりかえればそこに まっすぐに影ふたつ
♪一年たち二年たち かわらずもろもろの上に

   中山ラビ 「祈り」 より抜粋



・・・・And that's the way it is.


gonbe5515


# by starforestspring | 2017-11-11 16:54 | 映画・ドラマ | Comments(0)


タベリストgonbe     よしなしごとつづり


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