『娘と私』

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『悦ちゃん』の作者、獅子文六さんの作品をもうひとつ読んでみた。(獅子文六全集 第六巻)

当時の世相は現代と全然違うはずなのに、その違いを感じさせる描写が意外に少ない。だもんで、あえて触れなければ、現代の作家が書いた小説です・・・と言ったら信じてしまう人だっていそうな気がする。

作者はフランス留学中に知り合ったフランス人と結婚し、一緒に日本に帰国して暮らし始める(大正14年)すぐに子どもが生まれるが、お嬢さんが5才の時に奥さんが病気になり、療養のためフランスに戻ってしまう(慣れない異国での暮らしによるストレスが原因とも言われる)。その後奥さんは亡くなり、作者と幼い娘さんとがふたりぼっちになっての暮らしがはじまる(昭和7年)。娘との二人暮らしによる雑事の多さ、仕事が出来ないことの焦り。困窮した作者は、問題を解決するために、姉上が持ってきた再婚の話に乗る。

結婚相手の条件はただ一点、娘の世話と家事一切を取り仕切ってくれる人。自分自身を仕事に集中させてくれる人。何人かの人と見合いののち、ようやく、この人ならという人と出会い結婚するが・・というふうに話が進んでいく。
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自分の好きなように仕事をし、自分の好きなように遊び、何事にも束縛されたくない人が家庭を持ったらどうなるか、ということをのぞき見してる気分になり、一気に読んでしまった。面白いか面白くないかといえば、微妙。文章表現の妙とか、物語の展開とかそういうものではなく、ただただ“好奇心”で読み進めたということのほうが正しい。「ある作家とその家族の暮らし」をのぞき見たような読後感。


ただ、娘を持つ父親という立場で読むと、どうしても感情移入してしまうところが多い。娘の病気、娘の成長、娘が台所で料理を作る・・。作者はそういう娘の姿をわりと淡々と表現するし、突き放した書き方をする部分があるのだが、どうにも私にはこれは作者の照れのように思えてならない。この小説の中での表現より以上に、作者は娘を愛し、心配し、そして娘の幸せを願っていたはずだ。
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読んでて身につまされるところも多かった。読みながらわが娘たちが保育器に入っていた頃のこと、娘の病気、小学校、中学校、高校・・子どもから娘への変身は、母親より以上に父親のほうが敏感なのではないかと思うのだ。


ちくま文庫から再刊されて、本屋さんの書棚に並んでいると思うので、「ああ、これか」と手に取ってページをめくられるのも一興かと思う。


gonbe5515





# by starforestspring | 2017-10-02 19:21 | | Comments(0)

『サバイバルファミリー』

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昨日の『ひみつの花園』と同じ矢口史靖監督作品、2017年公開。
『ひみつの花園』から10年。ヒット作連発により、制作予算も桁違いになったようで、この作品ではレインボーブリッジ・・もとい高速道路を封鎖してロケを行っておられます。最近は漫画や小説を原作にした映画が氾濫していますが(というより、そればっかりですが)矢口監督は自分で脚本を書き、自分で撮影しておられる今どき珍しい監督さんです。

原因不明の電力消滅により、地球上のあらゆるところで電気や携帯電話が使えなくなり、困窮した家族が東京から鹿児島まで自転車に乗って命がけの移動を行うというお話。

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自転車に乗れるってことは、意外にアドバンテージになるもんだとか、マッチやライターに頼らず火をおこせるようでないと命に関わるなとか、豚の解体をしてくれてる人から、その方法を教わっといたほうがいいかしらとか、いろいろ反省させられました。「これは映画の中のお話」とわかってはいても、そういう部分ではやっぱり真剣に見てしまいます。


私もそうですが、この映画を観てる人は、画面の中にいる家族が陥ってるような状況に、自分たちは絶対に陥らないっていう、安心感、確信のようなものがあるから笑っていられる。灯りがつかない、蛇口をひねっても水が出ない、ガスを使った調理が出来ない、トイレの水が流れない・・・もしこれらが身の上に降りかかってきたら・・。

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車は役にたたず、スーパーに並んでる食料はあっという間になくなってしまうでしょう。かわいがってるペットだって、自分たちが生きるためには食料としなければならなくなるのです。誰がが犬(または猫)を殺し、解体しなければならない。かわいそうとか気持ち悪いとか言ってる場合じゃない。この世は弱肉強食の世界に変貌するのです。もっとギスギスした、もっと生々しい世界になるのです強奪、破壊、果ては殺人・・と、この映画のような、ほんわかした雰囲気などかけらもないでしょう。


ありえない話ではあるんですが、100%ありえないと断言することも出来ないところがツライ。便利さにどっぷりつかってる現代人は、自分と自分の家族の命を守ることが出来るのか。またそういう状態になったとき、人はどこまで“理性的”でいられるのか。

笑いながら、いろんなことが頭をよぎった映画でした。2年ののち、世界はもとどおりになります。“サバイバル”を始めるまえ、一緒に住んでいながらも心と暮らしがバラバラだった家族は、その2年を過ごしたことによって、お互いがお互いを慈しむように変わったように見えます。喉元過ぎれば熱さを忘れる・・で、また数年ののちには元通りバラバラになるのかもしれませんが。
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主演に大好きな小日向文世さん。舞台「オーランドー」では多部未華子さんにキスしてもらえる果報者です。のんびり屋の奥さんに深津絵里さん。無口な長男に『ひよっこ』で三男を演じてた泉澤祐希くん、わがままな妹に次の朝ドラ『わろてんか』のヒロイン葵わかなさん。その他大地康雄さん、藤原紀香さん、柄本明さんなどがご出演です。(そうそう、雀々師匠が出て来たときはうれしかったなあ!)
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映画の冒頭、どこの家庭にでもありそうな普通の、なにげないやりとりが映し出されます。最後まで見終わったあと、ふと思いついてもう一度このシーンに戻って見直してみました。すると、この“どこにでもありそうな普通のなにげないやりとり”に、この映画の主題が内包していたことに気づきます。矢口監督、うまいなあ。

ツッコミどころといえば、この映画には政府や自治体という公的組織が出て来ません。(救援に行く自衛隊はちょっと出てくる)困った国民に対し救援の手を差しのべるべき、そしてまた国民が窮乏したときの唯一の頼みの綱であるはずの政府や自治体の姿が一切出てこない。このあたりをどう解釈すればいいのか。「政府も自治体も電気が止まったらあてにできないから最後は自分たちでやんなさいね」なのかもしれません。それにしたって、なんかやってくれそうなもんですが。あと、食料生産者(農家)と消費者(都市生活者)との力関係の逆転を描いていますが、こういう状況に陥ったとき、この映画で描かれるような個と個の力関係なんか無意味だと思えてなりません。そのあたりはやっぱり映画です。

まあとにかく、あたりまえにあるはずのものが突然なくなったとき、生きるために本当に大切なもの、役にたつものはなんなのか。考えるきっかけになる映画です。考えて、身につけた技術や知識を生かす時が来るか来ないかはわからないのですけれど。



gonbe5515



# by starforestspring | 2017-10-01 17:20 | 映画・ドラマ | Comments(0)

『ひみつの花園』

『ひよっこ』が今日終わりました。
終盤は、エンジンで前進するのではなく、タイヤが緩い坂を転がっていくみたいな展開で、ちょっと残念でした。しかし!最終回で実お父さんに「あれ?そういえば重箱を・・」と言わせたのは良かった。「あれ?オレ、なんでここに?あれ?鈴子さんやシェフも?」と、私たちがこれまでイヤと言うほど見せられてきた定番の戻り方ではなかったところを評価したい。重箱、私もすっかり忘れていました。実お父さんのそのセリフの直後、まわりにいる人たちが余計なことを言わず、表情と間で表現してくれたこともよかった。このシーンに免じて、最終週のなんだかなあな部分は忘れることにします。

一番笑ったとこは、三男のセリフ「かあちゃんと高子さんと米子が並んだところ」でしたね。想像してみました。笑えました。


さて、映画『ひみつの花園』です。
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西田尚美さん主演、1997年公開の映画です。いいものを見ました。これはお勧めです。冒頭からノンストップで話が展開するゆる~いコメディ。あれよあれよという間の83分です。最終盤になって、さすがに展開が失速してしまいますが、そこはもう惰性でゴールに飛び込んでいく感じ。黄色いトランクの最後の扱いにはちょっと首をひねるところですが、それも許してしまいましょう。とにかく西田尚美さんのゆるい表情と、にやり顔、それからほっぺをたっぷり見させてもらえてね私は充分満足です。

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最近仕事に疲れてる方、ちょっとイヤなことがあった方、それから、とんねるずの「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」が好きな方には、是非ご覧頂きたい。笑わせてもらいました。ひさしぶりにいい笑い方したなあ。


木村多江さん、濱田マリさん、田中要次さんもご出演です。チョイ役ですけど、貴重な映像だと思います。特に木村多江さんの水着姿が見られるなんて、これまで想像したこともなかったので、驚いてしまって・・・。画面を止めて、食い入るように見つめてしまったのは言うまでもありません。
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低予算で作られたことがすぐにわかるシーンがいろいろあります。樹海の水路を流されるとこ、飛行機がオーストラリアに向かうとこ、エアーズロック、四畳半崩落・・。しかし本筋があまりにおちゃめでゆかいなもので、そういう安っぽい作りのシーンが本筋の魅力をさらにふくらませていると思います。たぶん監督ご自身も狙ってなかった効果を生んでるのではないでしょうか。

西田さんのPVとして鑑賞するのもいいでしょうし、83分間、ゆるい笑いに身を浸すために鑑賞するのもいいでしょう。あまりのバカバカしさに途中で放り出す方もおられるかもしれませんけれど。

ただ私は、観終わったあと、最近悩まされている肩の凝りが少し楽になったような気がして、とても嬉しかったです。


gonbe5515




# by starforestspring | 2017-09-30 15:07 | 映画・ドラマ | Comments(0)

狂態

民進党がとった行動に驚いている。
これが、野党第一党のやることなのだろうか?

これまで野党の先頭に立って安倍政権をやり玉にあげていたのに、小池という人が振った希望という名の旗の下にすり寄ってしまった。旗が振られてるだけで、その下にあるべきまとまった公約や政治信条というものが抽象的な言葉でオブラートされている状況で!

リセット?しがらみ?
それ、なに?具体的にどういうことか説明してほしい。

そんなこと、民進党の議員さんにだってわかってるだろうに、自分の信条はさておき、自分もその旗を降っていれば選挙に勝てる確率が高いかもしれないというだけで走っていってしまう。自ら信じる事を述べ、もって選挙民の支持を得て議会に乗り込むのが議員の姿だと理解していちたのだが、勝てればそれでいいって・・あんたたちには議員としての矜持はないのか。

安全保障も、原子力発電所も、自衛隊も、希望に集まる連中(あえてこう呼ぶ)が、これまでそれぞれの場所、機会に述べてきた意見は違うはず。方法とか道筋とかは違えど、目指すところは一緒っていうのならわかるが、目指すところからして違うのに同じ旗の下に集まるって、それはあまりにあまりでしょ?


もう一度言うけど、あんんたたちには誇りとか信念とかいうものはないのか?


10月の選挙で、もしこの「希望の党」が多くの議席を取るようなら、私はこの国に期待することを諦める。口先の、耳にさわりの言い、その時だけの風潮に乗って政党の離散を繰り返す議員たち、それがわかっているのかいないのか、甘言に乗って票を投じるアホな国民ばかりだとわかったら。


この選挙は、日本国民のアホさ加減のレベルゲージを知る選挙となるだろう。


gonbe5515





# by starforestspring | 2017-09-29 15:19 | それでいいのか日本人 | Comments(0)

marrellaさんへの返信

先日の私の記事についてmarrellaさんが下さったコメントに返信しようとしたら、思わぬ長文になってしまい、コメント欄に収まらなかったので、記事としてアップさせていただくことにした。


ーー以下、返信ーー

当時の日本がおかれていた状況を、私は今に残る文献と、経験者から聞いた話からとしか推測することしか出来ません。もちろん、平成に生きる身で、当時行われていたことの是非を云々することなど出来るわけがありません。想像の域でモノを言ったところで無責任の極みと罵られるでしょう。ただ、例えば私が明治20年くらいの生まれで、日清日露、満州事変などを、青壮年のときに体験していたとしたら、当時の政策、国政指導者をどのように受け止めただろう・・と考えます。

戦後の日本において、過去に日本が行った政策が正しかったのか過ちだったのか、過ちであったのならなにがいけなかったのか、どうすべきだったのか。アジアや太平洋に進出する以外の方策はなかったのか、それ以外の解決策を見つける努力をしたのか・・。それらを検証する場、機会はもたれたのでしょうか?それらについてちゃんと語り合う機会を持たなかったために、あの頃の日本が行った行為に対する国民的コンセンサス(賛成も反対もあるにせよ)が築かれなかった。だからこそ今、韓国や中国から靖国の問題や教科書の表記についてとやかく言われてオロオロしてしまう。

日米安保の傘の下、経済成長にやっきになっているうちに、大切な忘れ物があることに見て見ぬ振りをしていたのではないか。そう思うのです。


このことについては誰もがその信ずるところを口角泡を飛ばして語り始めることでしょう。私もその一人に違いありません。しかしこのブログにおいては、ただ一点のみ主張したくて、記事を書きました。「過去を全否定する風潮に賛同できない。この国の未来を思い、信じて散っていった人たちを貶めるような発言や行為は許せない。今を生きる私たちは、亡くなった人たちに対し、“国として” “国民の一人として” 慰霊の気持ちを持ち、頭を垂れ、その思いに報いるべく身を正さなければならないんじゃないですか?」 ということです。

中国や韓国がなにを言おうが、どんな圧力をかけてこようが、日本国の首相たる人物は、その身分でもって靖国神社に参拝し、国の危機に際して楯となり命をかけ、そして殉じた方々に対し、国民を代表して感謝の意を堂々と表明すべきだと私は思っています。それが出来ない限り、日本という国の“独立”はないとさえ思います。

長々と書きましたが、gonbeはこういう意見なのだな・・と、海のように広いお心で受け止めて下さればと思います。



goneb5515


物事にはさまざまな角度からの解釈があり、さまざまな認識があるだろうと思います。ありがたいことに、この国においては、国民個人が自分の信じるところを声高に主張することが認められております。私がこういう文章を書いても、政府によって削除されたり、gonbeという匿名を利用しているものの、exciteに圧力をかけて私個人を特定し、住所を調べ、もって官憲の手によって投獄されることもありません。

私はそういう言論の自由を保障する国に生まれたことに感謝しますし、世界の国が等しくそうであることを願うものです。






# by starforestspring | 2017-09-28 18:38 | それでいいのか日本人 | Comments(1)

移ろいを眺む

昨日今日と連休。
久しぶりの連休に、昨日は調子に乗って昼から酔っぱらってしまって更新できませんでした。申し訳ありません。・・・まあ「更新してない=酔っぱらって寝てたから」という式が私の場合ほとんど成り立ちますので、おいで頂いたときに、昨日の記事のままだったら「gonbeのやろう、酒かっくらって寝てしまいやがったな」と思っていただいて差し支えないかと。

昔・・といっても10年とか20年、それ以上前からずっとですけど、連休なんか取れなかったです。取らなかったというのがより正確かもしれません。8月と正月に4日~5日くらいの休みをまとめて取る、それだけを楽しみに、1年365日、ひたすら仕事をしておりました。

燃えてたしね、仕事に。面白かったし、仕事が。手応えがありましたよ。やればやるだけ暮らし向きが良くなる。みがけばみがくだけ、会社の格が上がる。そういう実感がありました。ところが5年くらい前から会社の組織が再編され、それに伴って新しい人事が行われ、上から下、下から上の仕事の流れが切れてしまった。これまで線だったものが点になったというか。そういう状態が1年たち、2年たつうちに当たり前になってしまった。

私にその流れを止めることは出来ませんでした。一番の古株なので、こういう時に役に立たずにいつ立つんだという気持ちはありましたが、見事に空振り。のれんに腕押し、ぬかに釘って、こういうことかと、しみじみ思い知ったです。



仕事のモチベーションは、意気に感じるか否か。私はそう思います。上司に、トップに、尊敬出来る部分、目標となる部分があれば、労働時間とか休日とか収入とかは、その次の問題になる。そういうものの大切さを否定するものではありませんが、それだけであるなら、単純により収入を得られるところ、より休日が多いところを選べばいいわけで。極端な話、バイトを掛け持ちして、正規社員のときと同じくらいの収入を得ることだって出来る場合があるのです。

他の人はどうか知らないけれど、ありがたいことに私は、この会社のために、この人のために働くって思わせてくれる対象があったし、それが楽しかった。会社の都合でフリーランスになったときも、また会社の都合で呼び戻されたときも、自分が必要とされている、そうすることで会社が良くなる、そう信じることが出来たからここまでやってこれたのです。自分の肩ひとつに全部の荷物を負わされ、早朝から深夜まで、書類に追われ、人間関係の調整に追われ、酒を飲まなければ眠れなくなったあの頃(今私が毎日酒を飲むようになったのはその時の名残を断ち切れないからです)わたしは間違いなく鬱病一歩手前でした。仕事に対する使命感が、かろうじて私を支えていたのだと思います。

ところが今は・・・。

年を経て、社会情勢の変化と共に、自分たちがあたりまえにやってきたことがあたりまえでなくなる。そういうことを思い知らされる時がくる。私の先輩たちも皆、そういう目に会ってきた、そんな気がします。誰しもがとおる避けられない道、ふと立ち止まったときに感じる空虚感。私はもうここにいるべきではない。なにを義理立てする必要があるでしょう。


連休を取ること、労基の基準にのっとり、月8日から10日の休みをとること。今の私はそのことに罪悪感を感じません。取れる休みは全部とって、自分の好きなことをやっていよう、そう思っています。仕事とは、己が出来る最善のことを、拘束されている時間の間だけ、提供する。その対価として金銭を得、糧に替える。それだけのことだと。

昨日今日、録りためた映画を見、車の手入れをし、庭の掃除をし、本を読み、ナイトスクープを見て、大笑いしながら泣きました。次の休みは明後日です。今度は庭の木の枝打ちをしようと思っています。


老兵は死なずただ消え去るのみ


gonbe5515



# by starforestspring | 2017-09-27 16:49 | 雑感 | Comments(0)

『あるおっさんの告白』3

学校で、戦争について教わったことがないと昨日書いた。でも、自衛隊という存在いかにまがまがしいものであるかということは、力説しておられたように思う>先生たち

中学生とはいえ、子どもだし、先生のいうことは全部正しい、基本的に生徒は、あらゆることについて先生から“学ぶ”というスタンスだから、“まがまがしい”だの、“存在してはいけない存在”だのと言われたら、素直にそれを信じてしまう。「存在してはいけない存在が、なくなりもせず存在してるのはなぜだろう?」という、素朴な疑問はあったけれど。

とにかく、当時の自衛隊に対する評価は低かった。存在そのものを否定されていたし、「自衛隊に入る」などと言い出そうものなら、周囲から猛反対されたものだ。

で、世はフォークソングブーム。森山良子やフォーククルセダース、赤い鳥などの歌を、近所のおにいちゃんおねえちゃんたちが公民館で歌っていた時代。そんなときジローズが「戦争を知らない子どもたち」をヒットさせたのだ。この曲は売れた。めちゃくちゃ売れた。どこに言っても、若者たちが口ずさんでいた。長髪ベルボトムのおにいちゃんたちが、ギターをかき鳴らし、声を合わせて♪戦争が終わってぼくらは生まれた 戦争を知らずにぼくらは育った・・と歌うのだ。

終わって、そして知らずに育ったのだから、それを申し訳ないと詫びてるわけではなく、知らないからこそぼくらは平和の歌を歌えるんだ・・という開き直りの歌。私も歌った。何度も歌った。なんの疑いも持たずに大きな声で歌っていた。


今にして思う。私たちがこの歌をなんの疑いもなく当然のように歌ってるとき、戦争から帰ってきた父や、空襲で友人や身内を亡くした人たちはどんな思いで聞いていたのだろう。


映画『東京裁判』を見た時、私はもういっぱしの社会人だったし、この歌ももう町中ではあまり聞かれなくなっていたが、なんていうんだろう、大きな声で歌っていた自分がとても恥ずかしく思ったことを覚えている。以降、ずっとこの歌を歌えない。


父や母、兄妹、妻や子、友人、生まれ育った故郷の山や川、それを懐にだく国。そういうものを守るために、命を散らしていった人たちを敬い、慰めることは、そのおかげで生かしてもらっている私たちが行なってしかるべき行為だと思う。犬死にだった、テロリストだった、洗脳されていた、間違った国策に踊らされていた・・・あなたはそんな言葉を、迷いもなく、心から投げかけて、平気なのですか?


この国をずっと守ってきてくれたご先祖たち、命を散らした方たちのおかげで、日本という独立国が今なお存在し、その恩恵を受けて私たち国民は安穏と生きることが出来ている。それを否定するのもひとつの見識だろうけれど、私はそういう方々とは、あんまりおつきあいをしたくないというのが本音だ。

そして今、この国を外的脅威から守るために、日々訓練に励み、私たちの知らないところで、昼夜を分かたず任務についてくれている自衛隊のみなさんに、心から感謝している。

おかげさまでなにごともなく毎日を送っています。
本当に、ありがとう。




gonbe5515



# by starforestspring | 2017-09-25 19:10 | それでいいのか日本人 | Comments(1)


タベリストgonbe     よしなしごとつづり


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