カテゴリ:本( 217 )

『悦ちゃん』

今夜の月は満月ではないけれど、雲のない広い空に、明るい光を広げるやさしい月だ。9月になって急に気温が下がり、毎朝の散歩ですれ違う人たちもほとんどが長袖を着ていらっしゃる(私も今日から長袖にした)。雨が降り続いた夏らしくない夏はなんの名残も残さずに退場し、秋に出番を譲ったということか。夏の早々の退場と同時に、冷蔵庫にたまってるビールのありがたみが急落してしまったことがなんともかんとも。



今日、仕事の途中に本屋に立ち寄った。
ちくま文庫から復刊された『悦ちゃん』を探しに。ちくま文庫が、この今年の7月から9月まで、また獅子文六さんの著作の復刊を始め、その中に『悦ちゃん』も入ってると聞いたので。市内では2番目に大きい本屋だけあって、ちくま文庫のコーナーにはそれなりの数の本が並んでる。その中のちょうど目の高さ、一番見つけやすい位置に、獅子文六さんの本が並んでいた。再版する出版社の意図をちゃんと理解してるこの本屋はエライなあ。

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表紙の悦ちゃんは、いかにも昭和っぽい可愛らしさ。昭和10年代、現代からみれば決して平穏な社会情勢とはいえないはずなのに、この小説がもつ明るさはなんだろう。平穏でないからこそ、読者はこういう小説を歓迎したのかもしれない。

まあ・・今の時代からなにを言ったってはずかしいだけなのですが。

ちくま文庫から再刊された獅子文六さんの本を何冊か拾い読みして、そのまま退店。なんとなれば私は、予約を入れていた本が今日受け取れるという図書館からの連絡をうけていたからです。

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獅子文六全集第一巻
獅子文六全集第六巻

受け取ってきました。なんと旧字体です。文庫版に比べると少々、いやかなり読みづらいのですが、いやいや、これこそ当時の世相に我が身を仮託するのにふさわしいのかもしれません。


実は私、獅子文六さんの小説を「青空文庫」で読めるんじゃないかと思っていたんですが、青空に入るにはあと2年待たなければならないようです。あと2年、今の私には、不確かこの上ない未来です。

ドラマでは充分に語りつくせなかったであろう小説世界の柳家、それから日下部家に池辺家が楽しみです。


gonbe5515









by starforestspring | 2017-09-04 20:16 | | Comments(0)

市井の人々

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去年この本紹介させてもらったけれど、この本では大田垣蓮月さんという方も紹介されている。(恥ずかしながら私は全然存じ上げなかった)
由緒ある家柄の血筋として生まれながら、数奇な運命をたどる超絶美人。美人であれば、おとなしくしてそうなものだけれど、剣道や馬術、はては鎖鎌まで会得してしまうすごい女性。不幸な結婚をし、産んだ子どもはことごとく幼いころに死んでしまい・・・。

お気の毒な身の上でいらっしゃるのです。

尼となってから焼き物を作って生活の糧にするようになってからがさらに面白い。蓮月焼き、知らなかったなあ。

テレビでも、映画でも、そして本でも。歴史に名を残した人たちのことを知る機会は多い。だけれども、名を残さなかった人の中にも、素晴らしい人は大勢いたはずで。

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永六輔さんが旅をして、あちこちで出会った人たちから聞いた言葉を集めて一冊の本にしたのは、そういう人たちのことを、もっと大勢の人に知ってもらいたかったからだろう。

「ただ死ぬのは簡単なんだ。死んでみせなきゃ意味がないよ」

「人間は病気で死ぬんじゃない。寿命で死ぬんだよ。」

「豊かさを超えている貧しさって、あるんだよなア」


人間は複雑怪奇。
だから面白い。


gonbe5515

by starforestspring | 2017-08-27 20:35 | | Comments(0)

『ろまん燈籠』

久しぶりに、太宰治さんの小説を読み返してみた。>青空文庫っていうのは、本当に便利だなぁ。

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とあるお家の個性的な兄弟たちが、順番に小説を書きつないでいくお話。小説の中に小説が入れ子になってる。ラプンツェル、王子さま、魔女・・。登場人物がどこかで見たり聞いたりしたようなものなのは、書き始めを請け負った末弟が、ネタに困って童話を参考にしたせい。兄弟たちが書くお話は、ありがちな展開なのだけど、5人それぞれの個性が読み取れる内容になっていて・・・。


この小説を最初に読んだのは、20代だったはずで、そのときにはまだ、ラプンツェル、王子、魔女が交わす会話の中にさりげなく埋め込まれた「愛とは?美醜とは?」という問いに対する太宰治さんが提示する答えに気づいていなかったように思う。


小説が完成し、お披露目にあつまった家族8人(母、祖父、祖母、兄弟5人)これまでにも何度か同じ趣向で、お話を作ったことがあったので、みなさん場慣れしていらっしゃる。中でも兄弟たちの朗読に、ウイスキーを飲みながら耳を傾けるおじいさんがいい。「飲み過ぎですよ!」と、おばあさんにたしなめられるところは身につまされて笑ってしまった。でも、亀の甲より年の功、この酔っぱらいのおじいさんがのたまうセリフがまた、実に深いのだ。

そうだよ、王様、王妃さまの存在と、その慈愛を見逃してはいけないんだよ・・。


太宰治さんの書く小説が好きなのは、こういうところ。まいったなあ。

小説は、読む時の年齢によって、それぞれに気づきがあるようです。
みなさんも、本棚で埃をかぶってるなつかしいあの本を、たまには開いてみられたらいかがでしょう?
我が家の書棚にある『ろまん燈籠』新潮文庫版、探したけどネットで表紙画像がみつかりませんでした。奥付を見たら、昭和60年発行第三刷。ページの縁は茶色く変色しておりました。

ニョーボに出会うより前に、キミに出会ってるんだね。


gonbe5515


アプリ「青空文庫」もお勧めです。



by starforestspring | 2017-07-31 19:56 | | Comments(0)

『全国アホ・バカ分布考 ーはるかなる言葉の旅路』

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“最近立て続けに出会った面白い本の4冊目、これが最後です。


「言葉は旅をする」
この本の中でこの言葉が出て来たとき、私は心をわしづかみにされてしまいました。

ことの発端は東京出身の奥さんと結婚した大阪出身の旦那さんの依頼。

「私は大阪生まれ、妻は東京出身です。二人で言い争うとき、私は『アホ』といい、妻は『バカ』と言います。耳慣れない言葉で、お互いに傷つきます。ふと東京と大阪の間に、『アホ』と『バカ』の境界線があるのではないか?と気づきました。地味な調査で申しわけありませんが、東京からどこまでが『バカ』で、どこからが『アホ』なのか、調べてください。」


この依頼を受けた探偵局はさっそく調査に乗り出す。で、アホとバカとの境界線を探してるうちに、突然「タワケ」が使われる地域を発見してしまう。さあ、この調査はどうなる・・?という前振りから始まった調査は、その後行き詰まり、局内部では一旦棚上げにされてしまう。ところが、ひょんなことからこの企画が復活することになり、やがて指揮をとるディレクター自身が予想もしなかった、『言語学』という、深淵な学問の領域に踏みこんでいくのであった・・・。


どうです?おもしろそうでしょ?いったいどんな本なのか読みたくなりません?


まだ読み始めて日が浅く、1/3くらいまでしか進んでいません。私、『本』のカテゴリーで紹介するものは、原則として読了してから記事を書くようにしているのですが、この本はあまりにも面白くて、記事にしたい気持ちを抑えきれず、読了まで待たずに紹介させて頂いた次第です。


関西特有のシャレから出たような軽いタイトルですが、 柳田国男さんとか、徳川宗賢さんとか、その分野の方なら知らない人はいないというすごい方の名前もでてきます。調査は真面目に取り組まれ、全国の市町村の教育委員会に調査依頼書(アンケート)が送付されます。戻ってきた膨大な数のアンケートを整理、分類し、結果を日本地図に当てはめていったらなんと!そこに現れたのは・・・・。

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好奇心が満たされる。満たされていく好奇心に興奮する。そういう本です。



gonbe5515




by starforestspring | 2017-07-23 19:20 | | Comments(0)

『京都のおねだん』

京都。

私がそこで遊び、学び(ちょっとだけでしたけど)、悩んで大きくなっていった頃、そこは普通の場所でした。あたりまえですよ。生まれたときから同じ言葉で育ち、同じ祭りを楽しみ、同じ味付けでごはんを食べていたのですから。

長じてそこを離れたあと、私は私がいた場所がどれほど住みやすくどれほど自分にあった場所だったかを思い知ることになります。水、空気、味、気質。10代後半、私はなにもわかっていなかった。あの頃の私をひと言で言うなら「アホ」 でありました。

「住めば都」っていう言葉がありますが、あれは万人にあてはまる言葉じゃありませんね。京都を出たあとの四国と北陸。合わせられない私がいけないのか、京都育ちの私の気質を受け入れてくれない土地がいけないのか。

まあ、どっちもでしょうけど。

京都を離れてから私は、故郷について書いた本をたくさん読んだと思います。自分があたりまえだと思っていたことが、ヨソさんではそうでもなかったことを知ったときにはめちゃくちゃ慌てました。「え?カレーに生卵をかけるんですか?」「え?6月になったら水無月食べますよね?」「え?鱧、売ってないんですか?」

私は合わせてきたと思います。四国に、北陸に。
ヨソから来た私にとって、それは当然のことだと思ったし、「私の育った京都では・・」なんて言葉は絶対言っちゃいけないとわかってもいたし。

ですけどね、私にとってそれは、すごい窮屈なことだったのですよ。

『京都のおねだん』という本を見つけました。
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いつだっったか、チャップリンさんのことについての特番で、NHKに出演してらした大野裕之さんという方の本です。その番組で拝見したときには「変な人だなあ」と思っていたのですが、この本を読む限り至極まっとうな方でした。
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「夏の風のおねだん」
「静寂のおねだん」
「水のおねだん」
「お地蔵さんお貸し出しのおねだん」

どうして京都を出てしまったんだろう。「侮恨」っていう言葉はこういうときに使うんだなと、学んだ本でした。


京都生まれの京都育ちの方には面白い本だと思います。そうでない方には・・・それなりに面白い本であることは間違いないと思います。>好奇心を満たしてくれるという意味で。

世の中には、おもしろい本があふれてる。
自分の知ってる世界なんて狭いもの。

自分の小ささを思い知ると同時に、自分の故郷の懐の深さが嬉しくなる、そんな本でした。



gonbe5515








by starforestspring | 2017-07-22 20:25 | | Comments(0)

『何がちがう?どう違う?似ている日本語』

兼平豊子さんは中学の図書室にある本を『あ』から読み始めて『ぬ』で卒業を迎えてしまったのを残念がっていた。『あ』から『ぬ』まで。このふたつの言葉の間にある距離は豊子の行為をとても真実らしく思わせます。『ら』まで行って、もうすこしだったのに・・っていうとなんとなくウソっぽく感じてしまいませんか?

実はわたしも国語辞典を、
『あ』から順に読んでいったことがある。どこで挫折したかは忘れたけど。井上陽水さんも同じことをして、歌詞に使う言葉をさがしていたらしい。

国語辞典を『あ』から順に読んでると、言葉の意味はわかるのだけど、他の言葉との違いについてを連係して比較することはできない。例えば「墜落」という言葉を読んでるとき、似た言葉「転落」となにが違うのかを知ろうとすれば、別のページに飛ばなければわからない。「乱戦」と乱闘倹約」と節約」はそれぞれどう違うのか、すぐに答えることが出来る人がどれだけいるか。そもそも似ているけれど意味が違う言葉っていうのを、そらで挙げることが出来る人ってそうはいないだろう。

似ているけれど違う意味の言葉の説明を求められたとき、「ああ、それはね・・」と、頭の中で組み立てながら説明を試みると、実にあいまいな説明しか出来ない自分が恥ずかしくなる。


そんな私に目からうろこの本。

『何がちがう?どう違う?似ている日本語』
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これはおもしろいですよ。国語の本なのに、数学の問題の解き方を教えてもらってるような気がします。こういう微妙な言葉の意味の違いを知ることって、実に楽しい行為ですね。そしてまた、そういう意味を知った上で、正しい日本語を使いたい、そう思ったものでした。

なにかと言えば「カワイイ」なにか食べれば「オイシイ」表現できないモノや現象に出会ったときには「ワカンナ~イ」カメラの前で臆面もなくでそういう言葉ばかりを発するタレントに軽い殺意を覚える私ですが、同時に日本の国語教育の不十分さも痛感するのです。もっと、おもしろく日本語を学ぶことってできないのでしょうか?

英語教育は小学生のころから必要でしょうと思う方、いえいえ、まずは古今和歌集からでしょうと思う方。ぜひ一度この本を手にとっていただきたいものです。



gonbe5515


いやあ、最近面白い本ばかりに出会えて嬉しい。










by starforestspring | 2017-07-21 17:43 | | Comments(0)

『大阪弁の詰め合わせ』

毎日暑い日が続きます。こういう時は、“首にタオル”が便利です。便利・・・だけではない、首にタオルをかけてると、なぜだか心が落ち着く効果を感じている今日この頃。

あちこちで梅雨明け宣言が出されたそうです。北陸はまだですが、空の色はもうすっかり夏の色であります。

人生のおよそ2/3を関西以外の土地で暮らしています。
そのくせ、“気質(カタギ)”は関西人のままであることを、強く自覚しています。
関西以外で暮らすと、関西人とそれ以外の違いがよくわかります。
関西人気質が抜けないもんで、地元(四国・北陸)の人たちと悶着を起こしたこともありました。別に「 関西サイコー、それ以外アウト!」って言ってるつもりはないのです。というか、それ以外の土地の方のほうが、“関西人” に対してある種の感情を持ってらっしゃることを感じることが多かったです。

気持ち良かったのは、「京都出身?・・・で?」という反応であります。
これは嬉しかった。「・・・で?」とおっしゃる方は、関西(主に京阪神)に対しての特殊な感情(コンプレックスと言ってしまっていいのでしょうか?)を一切持ち合わせていらっしゃらない。ご自身の生まれ育ったところが、なにより一番、それ以外のとこなんか住みとうもないわ!って断言してしまう方と出会った時の私のうれしさをわかってもらえるでしょうか?

いろんな本を読み、いろんな人のお話を伺って知ることのひとつに、「日本人が海外に出たときに一番求められることは日本のことをどれだけ知っているかということ」があります。日本語の表現の豊かさ。日本の歴史。日本の建築物についての知識。日本の習慣、祭礼について・・・etc。日本を知らない人に、どれだけ自分の国日本を語る事が出来るか、これが大切なのだと。海外の人に信頼を得るための第一歩がこれなのだと。そういうことを知りました。

なるほど・・と。

日本の中でもそれは同じはず。
以前にも書いたことがあるんですが、私が京都出身ということが相手に知れたときの反応「京都ですか~。いいですねえ!」というのがイヤでイヤでしょうがなかった。なにが“いい”のか。なにをもって“いい”と言ってるのか。あなたが生まれた松山や広島、富山や石川だってたいしたもんでしょ?京都には京都の魅力があるけれど、京都にはない魅力があなたの生まれた土地にはあるじゃないですか。魚が美味しい、米が美味しい、山と海とがすぐそばにある、海の透明度、水のうまさ・・・どうしてこれらに胸を張らない?


私は別に京都生まれになりたくて、父と母の息子として生まれてきたわけじゃないのです。たまたま父と母が京都に住んでたときに生まれたってだけの人間なのです。当たり前ですけれど、生まれ育った土地になじんでますし、言葉も習慣も、京都のそれと同じであります。地蔵盆やおけら詣り、みたらし祭りにコンコンチキチンコンチキチン、魚といえばシメサバがすぐ頭に浮かぶ、そんな人間ですよ。


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『大阪弁の詰め合わせ』という本を読みました。
面白かった。
「すんまへんなあ、大阪生まれの大阪育ちですわ。なんか文句ありますのん?」っていう開き直りが実に清々しい。こういう本を読むと、京都大阪を離れて四国北陸に居を移してしまったことを“一瞬”後悔してしまう。


罪な本、『大阪弁の詰め合わせ』わかぎゑふさん著。
よろしかったらお近くの図書館でお探しください。

笑えます。


北陸の梅雨明けももうすぐのようです。



gonbe5515











by starforestspring | 2017-07-20 21:10 | | Comments(0)

『ソロモンの偽証』第三部「法廷」

ついに全三部読了。

第三部に関して言えば、例の違和感は薄れて会話劇に集中出来た。
さすがに3冊目になると、慣れたというのもあるし、私自身の違和感排除作戦も功を奏したらしい。

宮部みゆきさんの小説は、ずっと愛読してるけれど、さすがにこの作品は長すぎる。でもご本人にとって納得のいく作品にするためにこの長さが必要だったのだと考えれば、読ませてもらう私たちが長いの短いのと文句を言える立場にはない。

それでも長すぎたけれど。

読み切った・・という達成感はある。でもそれは、超長編を読了したということについての自己満足であって、いい作品と出会えてよかったという感慨とは違う。宮部みゆきさんの作品のうち、どれがお勧めですかと問われたとき、この作品の名前を出すかと言えば、間違いなくそれはない。宮部みゆきさんが書く小説の素晴らしさを知ってもらうためには、この作品より『あやし』『あんじゅう』『ばんば憑き』 『幻色江戸ごよみ』『 本所深川ふしぎ草紙』などを強く推したい。

まあ、個人の好みだけれど。

実際、ようやくたどりついた結末を知って「ここまで読んできてよかった!」っていう感動というか、喜びはなかったです。結末につながる伏線は実にわかりやすいものだったし、その回収の仕方も、「ああそうですか」というものでしたし。いろんな人がこの小説に登場したけれど、最後に立っていたのは、藤野涼子と神原和彦。あえて加えるなら検事側、弁護側、判事、陪審員だろう。最後の最後まできて、大出勝や三宅樹里や浅井松子についての記憶は薄れてしまってる。

「ソロモンの偽証?ああ、読んだことあるよ」

そのひと言が言えるようになった、私にはそれだけのものでした。申し訳ない。

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豊子さんがご出演の映画を見る為に、まずはこの小説からと読み始めたわけですが、ここに来てDVDを借りるかどうかを迷ってる。2000ページオーバーの小説をいくら二部作でも、全部カバーするのは難しいと思うし。作品世界をどこまで再現できているのか不安だし。小説では強烈な印象だった柏木くんや大出くん、神原くんを演じた人の写真を見たけど、イメージ違うし。(唯一納得出来たのは小日向さんの津崎校長)

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「ソロモンの偽証?ああ、読んだことあるよ」
問われてこう答えたい方は別ですが、そうでない方にはこの小説はお勧め致しません。先ほど挙げた江戸ものをお読みになるほうがいいです。はるかに楽しい時間を過ごせます。

とにもかくにも、おつかれさま>自分



gonbe5515




by starforestspring | 2017-06-22 19:23 | | Comments(0)

『ソロモンの偽証』第三部

第三部「法廷」に突入致しました。そして、ますます違和感が増幅して参りました。

ストーリーはおもしろいのです。先は気になるのです。でもね、ぜったいこれは中学生が言うようなセリフじゃないだろうというのが、ずっと続くのです。思い返せば、私も中学生のころは実に小生意気なヤツだったと自負しておりますが、神原クンや藤野さん、井上クンには負けます。ここまでじゃなかった。レベルが違う。

もう一度言いますが、ストーリーは面白いのです。先も気になるのです。ただ、彼らが喋るセリフから窺える教養、知識、手練手管というものは、普通の中学生は持ち得ないもののはずです。こんな中学生おらんやろという“否定”が、どうしても私にはぬぐいきれない。それとも、いるんですか?今どきはこんな中学生が?

読者の一人としての感想です。この小説を読んでそんなふうに思ってます・・ということを申し上げたいだけです。これからお読みになろうとされる方は「そういうやつもいるのね」と流して頂きたいと思います。けっして非難してるのではないので。自分の心の頑なさに、半ばあきれておる今日この頃でございます。

宮部みゆきさんの作品はたくさん読んでおりますが、これだけなじめないのは初めてです。

・・・などと愚痴をこぼしてはおりますが、この小説をここで放り出す気持ちはさらさらなく、この違和感とつきあいながら、最後までページを繰り続ける所存。

私は変われるでしょうか?
いや、この小説は私を変えてくれるでしょうか?


gonbe5515




by starforestspring | 2017-06-18 18:40 | | Comments(0)

『ソロモンの偽証』第二部

第二部「決意」のちょうど半分くらいまで進んできた。
第一部はネタ振りとしておもしろく興味深く読ませてもらった。しかし第二部は、気にしないでおこう、気にしないでおこう・・と言い聞かせても気になってしまうところがあるので、どうしても集中出来ないでいる。

ある設定さえなければもっとのめりこめるのだ。

その設定というのは、第二部において、動き回り、会話を続ける登場人物が、全員中学生だということ。中学3年生15才。こんなに知識があるとは思えないし、こんなに大人びた話し方をするとは思えない。先生や弁護士、学校を辞めた主事さん・・そういう人たちが彼らを“大人扱いして”くれるとはまして思えない。裁判に必要な証拠を集めるために交わされる会話、弁護側検察側双方による公判前整理手続きのような話し合いで飛び交う言葉など、中学3年生が喋ってるとはちょっと信じがたい会話が延々と続く。

自分たちのクラスメイトの死の真相をさぐるため、真実をつかむため、大人たちにはまかせておけない、自分たちで裁判をやろう!これがこの小説の背骨だから、中学3年生という設定をはずすわけにはいかない。それは重々承知している。承知してはいても、「このセリフを喋ってるのは中学3年生、こんな中学生いないよ!」 ・・これが頭から離れない。こいつさえ頭の中から消えれば、私はもっと楽しめるはずなのに。


わかりきったことだけど、小説は現実と事実とだけの世界ではない。日傘を差して風にのって空から降り立ってくるナニーがいたり、河童の国があったり、赤鬼が泣いたり。「ありえねー!」と言いたくなる設定で書かれていても、その設定の上で私たちは笑ったり涙を流したりしてきた。


残り半分。『ソロモンの偽証』全巻を読み終えたとき、自分がどんな感情に包まれるか・・それを楽しみに読み進めようと思う。



gonbe5515




by starforestspring | 2017-06-09 19:56 | | Comments(0)


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