山のあなたの・・

山の彼方の空遠く、幸い住むと人のいう。
ああ、われひとと尋めゆきて、涙さしぐみかえりきぬ。
山のあなたになお遠く、幸い住むとひとの言う

三遊亭円歌師匠も逝ってしまわれました。
私は江戸落語は少々苦手なのですが、円歌師匠は別でした。なにしろおもしろかったから。師匠の訃報を知らせる新聞記事に、上に書いたカール・ブッセの詩が紹介されてました。この詩が出てくる師匠の落語『授業中』Youtubeで聞けるみたいです。


生まれたところが京都の故か、私は高い山にはあまり興味がない。私が住んでたところは三方が低い山に囲まれていた盆地。山は目の前にある(ように見える)し、暇な休日に山をみて、「ちょっと登ろか?」と友人を誘って頂上をめざすとか、そんな感じの山だった。なにしろ見える山のうち、一番高いのが隣の滋賀県の比叡山848m。

県外から富山に来られた方々、特に天気の良い日に来られたかたがそうなのだが、陽に映える立山連峰(剣岳2,999m、雄山3,003m他たくさん)をご覧になって「きれいですねえ。毎日こんなきれいなものを見ることができて、富山の人は幸せですねえ」などとおっしゃる。

自分で作ったものを褒められるのは嬉しいが、あの山は気の遠くなるほどの年月と、想像もつかないほどの地球のパワーで出来上がったもの。それを毎日見られる土地にたまたま住んでるだけで、べつに幸せだなんて思ったことはない。

そういえばあの山を越えて徳川家康さんに直談判しに行ったのが佐々成政さんだった。よく越えたよなあ、あの山を。しかも冬に。

そんな私だが、ぜひ一度住んでみたいのが静岡。
太平洋側。気候温暖。お茶の里。敬愛する江川太郎左衛門さんの治めた伊豆韮山がある。そして静岡からは富士山が見えるのです。静岡以外からでも富士山は見えますが、私には自分でもよくわからない“静岡県信奉”があるようだ。

高い山に興味がない私だが、唯一富士山だけは別。一筆書きで描けるシンプルさ、それから長く長く続く裾野が醸し出す安定感。見ていてほれぼれする自然の造形物だと思う。

見ていて心和む東山三十六峰に囲まれて穏やかに暮らすこと。
手を合わせたくなるような富士山の姿を見て生きる糧をもらうこと。

「生きてるだけでまるもうけ」が私の信ずるところであります。それに従えば、住むところなどどこでも構わないはずなのですが、恥ずかしながらそこまで達観出来てない。


行ってみたいなあ、静岡。


gonbe5515


by starforestspring | 2017-05-03 20:46 | 雑感 | Comments(2)
Commented by marrella at 2017-05-04 17:00 x
私は、「馬鹿と煙は…」で高いところが好きです。北岳、奥穂高、などなど高い山に登ってきました。

そんな私にとって立山は「聖地」です。立山に行かなかれば、他の高山にも登っていなかったでしょう。

アルペンルートはやはり富山側から登りたい。弥陀ヶ原から天狗平、室堂平への高原バスは格別です。美女平から徐々に高度を稼いでいくのがたまらない。バスなんか邪道だ、歩くべきだとのご意見もあるでしょうが、私はあのバスが好きです。

室堂平に着いて、残雪とお花畑と雷鳥が出迎えてくれると当に至福です。そして三山を縦走するも良し、剱岳を目指すも良し、薬師方面に脚を伸ばすも良し。

しかし、こんな私ですが富士山は登ったことがありません。登ろうと思った事もありません。富士山にはお花畑もないし、雷鳥もいないからです。姿は中部地方の高山に登れば大抵拝む事ができます。それはやはり美しい。けれども、私には室堂平から拝む立山三山の方が好ましく思えます。

私が富山に住んでいたら、毎週末にでも立山に行くでしょう。


Commented by starforestspring at 2017-05-05 08:54
低く連なる山を見ると、気分が落ち着くのは、これはもう生まれたときからずっと見てるってことに尽きるでしょう。富山や長野に生まれた人にとったら、立山連峰のような山こそ山というもので、東山三十六峰なんて丘にしか見えないかもしれません。

アルペンルートのバス、私も好きです。あの狭く暗いトンネルを走るのは、TDLのアトラクションとは違う、リアルな感動があります。

登る山と見上げる山、山との関わりを考えるとき、私にとって立山連峰は見上げる山です。“身近”じゃないんですね。おっしゃるとおり“聖なる山”、別世界にあるもののように思えます。

登る山としての魅力を知っていれば、きっと違う風に思うのでしょうけど、登山の楽しみと喜びを知らないまま、あっちの世界に行くことになりそうです。

富士山も見上げる山です。登ろうとは思いません。ただあの姿には、東山三十六峰と同じ、心休まるものを感じることが出来ます。浅間山もそうですね。改めて考えてみれば、ああいう、なだらかな稜線を持つ山が私は好きみたいです。

若草山もそうか・・・。>鹿男あをによし



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