『正直』ということについて考える


今日の新聞にも追加記事が出てたのですが、
バスの手配を忘れた旅行代理店の社員、罰金50万円の略式命令を受け、即日納付したとか。
彼、会社は懲戒解雇(=クビ)になったそうです。

4月にこの事件のことを新聞で読みました。
こういうことを言うとなんですが、私はバスの手配をしてないことに気づいた時の彼の気持ちが痛いほどよくわかる。
彼と同じように、お客様から依頼された手配を忘れていることを前日(または当日)になって気づいたスタッフを何人も見てきてるからです。
多くの場合、言葉と顔色を失います。茫然自失ってやつです。
見ていてツライし、とても気の毒です。

でもそれは、本人がやってしまったことであり、他の誰の責任でもない。
もちろんそういうことを防止するシステムが機能したかどうかの問題はあります。
そういうところで同情すべき部分はありますが、それでもやってしまったミスの責任は自分が負わなければならないのです。


彼が“そのこと”に気づいた瞬間の気持ちはよくわかる。
わかるけど、自分が負うべき責任から目をそらし、生徒を装って遠足の中止を謀ったというのは、やってはいけないことでした。
彼がやるべきことは、“正直に”上司に報告し、学校側に謝罪し、代替え案を提案し、迷惑をかけた学校や生徒たちにどのような形で償えばいいのかを考えることでした。

ごまかそうとした。
そのことが彼の人生の設計図を狂わせてしまった。
 #JTBをクビになったところでたいしたことではないって思ってるかもしれないけど。

もし、
“正直に”対応していれば、ミスはミスとして、新聞沙汰にならずにすんだだろうし、クビになることもなかったはず。そりゃあ、学校側からとんでもなく叱られることになるだろうし、会社からもそれなりの責任を問われるでしょう。上司だって監督責任は免れません。
でもね、
そういうのって、その時だけのことじゃないですか。
自分のミスから目を背けず、自分の責任を棚にあげず、誠心誠意お詫びすれば、その気持ちは相手に伝わると思うのです。
上司だって一緒に謝ってくれるでしょう。会社だってコトが終わったあとに、彼を会社から放り出すまではしなかったと思います。
迷惑を掛けた学校、生徒、上司、同僚、会社に対しては、のちにいい仕事をすることで恩返しすればよかったのです。
この失敗と真摯に向き合い乗り越えることこそが、精神的な強さを作り、同じ過ちを繰り返さなくなる戒めとなり、つまりはこれからの仕事に生きるはずでした。


正直であること。愚直なまでに正直であること。
いい仕事をするための一番基本になる部分だと私は思います。

「社会的制裁を受けた」
新聞にはこう書かれていましたが、制裁をした社会のことなんかどうでもいいのです。
彼自身が今回のことをどう受け止めるのか。しでかしたミスから逃げようとした自分を、自分自身で裁くことが出来るのか。裁くことが出来ず「バレさえしなければうまくいったのに」と、そっちの方に思考を持っていくのか。

それこそが彼自身の今後の社会的立場を作るのだと思います。

gonbe5515
by starforestspring | 2014-05-27 18:59 | 雑感 | Comments(0)
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