花森刑事、ワッパだ!

昨日、書店で『MacFan』を立ち読みしておりました。
めくったページで

“ワンコインゲーム”

っていう単語が目に飛び込んでまいりまして、
「おお!ついにワンコがゲームになったのか!」
って、ニヤッってしたのですが、その数秒後、その単語の本来の意味を理解しました。

病んでますか、私?


トップ画像を変えました。ちょっとピントが甘いんですが、お許しを。
でも、気にいってますよ、これ。
右横のワンコの画像、これは初回放送時、読売新聞の“試写室”に記事と一緒に掲載された写真です。私はこの写真の敬礼姿の凛々しさを見て、このドラマを見ようと決めたんですよね。(もう何度も書いてますが)

久しぶりに第一回放送分を見ました。
実に、実に完成度の高い初回じゃないですか?
もうみなさん、何度もおっしゃってますからミミタコだとは思いますが、やっぱり何度でも言いたくなりますね。
始まってすぐのショップでのワンコで意表をつき(このシーンでワンコが店を出るときに手袋をはめ直すしぐさをしているところがツボにはいりました)そのあとのパトランプセット、倉庫街での人物紹介、中国人たちとの銃撃戦(ヤナとデュークのエグザイル撃ち!)いかにもな刑事ドラマのパターンを踏襲しながらところどころで肩透かしを見せるという・・・・。
花森刑事、ワッパだ!_b0137175_17505533.jpg


グダグダと並べ立てるのはやめましょう。とにかくこの初回は面白い!だいたいのドラマにおいて、初回っていうのはオペラでいうところの“序曲”、釣りでいうところのコマセ。本格的に話が進むのは二回目以降ってパターンが多いと思うのですが、『デカワンコ』においては、初回それだけで完結してるっていうか、もうすこしエピソードを付け加えたら映画になるぞって感じではありませんか?
#本日やけにセンテンスの長い文章になっております。

セリフ、カメラアングル、音楽、そして躍動感。
そう、躍動感!これですよね今どきのドラマにないものは!
昔のドラマでの刑事はもっと走ってましたよ。動きに激しさというか、感情の発露というか、抑えても内面からあふれ出してしまうような爆発がありましたよ。
今どきのドラマにそれがありますか?

ワンコが走る、キリが走る、デュークが走る!
捜査、追跡、格闘、逮捕、そして大団円。
で、終わりになってまた新たな事件の発生、飛び出す刑事たち。
これでしょ?心躍るのは?

このドラマを作った方たちは、前からこんなドラマが作りたくてしょうがなかったのじゃないでしょうか?
そこにデカワンコという原作マンガが登場し、多部未華子というプロ根性のかたまりのような女優がキャスティングされ、芸達者な役者さんたちが彼女のサポート役に徹し。

これは私の勝手な想像なんですけど、このドラマは最初からこういう風になるっていうカタチが出来ていたわけではないんじゃないでしょうか。
集まった役者さんたちが、台本に則って芝居を始める。カメラの外でそれを見ている役者さんがその演技に驚く。「負けてられない!」てんで自分もテンションあげて演技をする。それを見ている役者さんがまた・・。こんなふうにお互いに触発されて想像以上のシーンが出来ていく。
そんな演技を見ながらカメラがフレームを抑え、それならってんで監督が演技にまた新たな注文をつけ・・。
こんなふうにどんどんどんどん、膨らんでいったんではないでしょうか?
多部未華子さんの見る目を厭わない変顔に周りが驚いてしまったり、ちょこまか動く歩き方でクスッってなったり・・そういうのを見て周りの役者さんたち、コマさんやガラさん、シゲさんたちも思う以上に頑張ってしまう・・・そんな部分も含まれているかもしれません。
多部未華子さんにしたって周りのキャストの演技を見ながら「よし!私も!」ってエネルギーを入れ直した部分もあったはずです。

相乗効果。

きっとあったような気がするのです。
それが見事なカタチで結実した、言ってみれば稀なケースではないでしょうか。

刑事ドラマの王道を踏襲し、敬意を表しながらお遊びもいれ、ユルさや涙もいれ・・。
実に素敵なドラマだったのだなあと、改めて感じた次第です。

gonbe5515

ガラさん逮捕の屋上のシーン。
ワッパの音と同時に流れてくる『太陽にほえろ』のテーマと一子の涙。
黙りこくってたたずむ13係のメンバーのシルエットとそれを見つめる一子の後ろ姿。
ドラマ史上に残る名シーンって言ったら言いすぎかもしれませんが、私にとって忘れられないシーンですね、あれは。
by starforestspring | 2012-04-19 18:13 | 多部未華子さん | Comments(4)
Commented by かわたべ5678 at 2012-04-19 22:01 x
そーなんです!w 『デカワンコ』の数ある魅力の中でも、「躍動感」はかなり重要ですよね! ドラマを弾ませるのは、軽妙な掛け合いだけじゃなくって、走る、殴る、撃つ、壊す、アクションも非常に効果的な演出であり・・・

そのテンションがまた芝居をも弾ませ、まさに相乗効果ですよね。役者だって、刑事を演じるならアクションやりたいに決まってます。男子は特に。

だからみんなアクションやる時はテンション上がったでしょうし、それが多部ちゃんにも伝染して、みたいな相乗効果もあった事でしょう。いや、多部ちゃんもきっとアクション嫌いじゃないでしょうw 動ける人は、動きたい筈ですw

第1話はホントに、ドラマ、ギャグ、アクションのバランスが「神」でしたよね。
Commented by DeepPurplin0283 at 2012-04-19 23:17 x
私も第1話が繰り返し観た回数は一番多いです。冒頭シーンの試着室のカーテンをパッと開けて出てくるシーンが、放映前の予告で使われていたんですが、あれがいきなり出てきたので、オォーと引き込まれました。イキがった感じの仕草とドヤ顔で手袋を直す姿がワンコというキャラのすべてを伝えていて、さすが多部ちゃんという感じで、あのシーンでこのドラマの成功を確信しました。

第1回はユルい場面も含めて、とてもよくつくりこんであって、製作のために注ぎ込まれたスタッフとキャストのエネルギーの積算量が文句なしに高いことが画面からひしひしと感じられます。

ちなみに『つばさ』の第1回にも同じものを感じていて、繰り返し観た回数はダントツです。

アクションだけだと男臭い単調さが目につきかねないんですが、ワンコの小動物のようなチョコマカがあるおかげで、画面がとってもバラエティに富んだものになっているのが、『デカワンコ』の強みだと思います。
Commented by starforestspring at 2012-04-20 15:34
>かわたべ5678さん
そうですよね、アクションシーンのない刑事ドラマなんてクリープを入れないコーヒーみたいなもんですよね。
『デカワンコ』でのアクションシーンは、やり過ぎないところがいいと思います。
とはいえ、第二話での取り調べ室で犯人を追い詰めるシゲさんの 「もうやってる」みたいな昔の刑事ドラマを彷彿とさせるシーンもしっかり見せてくれたりしますね。

>多部ちゃんもきっとアクション嫌いじゃないでしょうw
嫌いじゃないと思います。ひじで花瓶を割ったり、弟をいじめるクラスメイトに蹴りを入れたり出来る人ですから。。。
一子のキャラクター設定「嗅覚以外は全くダメ」というシバリがなければ、活躍シーンが見られたかもしれません。
ジウでも武闘派とは正反対って設定だったしなあ。。

Commented by starforestspring at 2012-04-20 15:35
>DeepPurplin0283さん
私も初回を見た回数が一番多いです。
>ドヤ顔で手袋を直す姿がワンコというキャラのすべてを伝えていて、
あのシーンはいいですよね。ミッハエルのところでガラさんに嗅覚テストをされるシーンでガーゼをつまみ上げるシーンも。
ああいう表情を出せる多部未華子さんは本当に素敵だと思います。(それしかできないってわけではないですものね)
>ワンコの小動物のようなチョコマカがあるおかげで、画面がとってもバラエティに富んだものになっている
倉庫街での銃撃シーンも、迎賓館前でのキリとデュークが犯人を追い詰めるシーンでも、結構ハードはアクションを見せてくれてると思うんですが、そこにワンコがいるだけで和む。刑事ドラマにおける新しいタイプのアクションシーンを作り上げた・・・のかもしれませんね。
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