『カーネーション』最終話

NHKがよかれと決めた最終話まで見ました。

千代さんが善作さんにお酒を注いでたあのシーン。
やっぱりあれが、このドラマの最終話だった。
それを確信しました。

尾野真千子さんから夏木さんへのバトンタッチの理由、真相はわかりません。
が、尾野糸子さんと夏木糸子さんとは、全くの別人になってしまってました。
歳を重ねれば印象も変わりますが、せめて「あ、このへんにちょっと残ってるな」っていう部分があってほしかった。
 #そういう意味でいえば、老いた奈津として江波さんを選んだ人はお手柄だと思います。

90才を越えた糸子を、尾野さんが演じられたのかどうか。
もしかすると不自然になってしまってたかもしれません。
それでも「カーネーション」ファンは納得してたんじゃないでしょうか。

病院でのファッションショー。
だんじりを見るための2階の改装。
それにまつわるエピソードを延々と見せられましたが、興奮も期待も生まれませんでした。

失速。

これですね。

その理由のひとつに、夏木糸子になってからの展開にも責任はあると思います。
同じ展開で尾野糸子だったらどうだったろう?って考えると、キャラクターで押せたとしても、物足りなさはきっとあったでしょう。


ということは、糸子の晩年はいらなかったということになりませんか?
全話見たあとだから言えることではあるんですが。
でも、やっぱり夏木さんにご登場いただく必要はなかったように思います。

中締めってありますよね。
宴会が盛り上がって、でもどっかで一度締めなきゃいけなくて、
で、むりやりにでも「ここでおわるから。つづけたいやつは好きに続けていいから。でもオレらは帰るよ」
ってやつが。

千代さんと善作さんのあのシーンが、この朝ドラの中締めだったのです。
病院でのファッションショーだとか、だんじりを見るためだけの2階の改装だとか、そんなものはおまけ。

「カーネーション」は、尾野真千子さんで走りきるべきでした。
小原糸子さんイコール尾野真千子さんで突っ張るべきでした。

彼女の存在そのものが「カーネーション」でした。

gonbe5515


昨日『MORE』を見てきました。
癒されましたね、ホントに。
ごらんになりました?>タベリストなみなさま
by starforestspring | 2012-04-05 20:02 | 連続テレビ小説 カーネーション | Comments(5)
Commented by DeepPurplin0283 at 2012-04-06 07:39 x
> 「カーネーション」は、尾野真千子さんで走りきるべきでした。

お気持ちよーく察します。

『カーネーション』はドラマとしてかなり評価してるうえでですけれども、私は入れ込み方には何歩か引いたところもあり、また天邪鬼なタチなので、主役交代のネット上での評価が圧倒的にアゲンストなのを見ると、ちょいと独自解釈をしたくなりました。

バカバカしい理由が交代劇の真相でないと仮定して、渡辺さんはじめスタッフにとって、そのまま突っ走って同じことを続けることが一番安直な選択肢であったけれども、敢えてそれを捨て、ドラマ自体をおまけのようなエピソードでワクワク感のない枯れたものにして、それによって何かを描こうと賭けてみたのではないか?
Commented by DeepPurplin0283 at 2012-04-06 07:40 x
子供からお気に入りの玩具をサッと取り上げて、ショボイものを代わりに渡したような交代劇は、オノマチ糸子の魅力で虜にした視聴者に、手放したくない美しいものも、枯れたり朽ちたりして、本質的な部分から違うものになってしまうけれども、そうなったものに、どういう気持ちの向け方をするのか、「さぁ、どうする?」と問いかけているんじゃないかなんて見方なんですが、ま、そんなことは普通しないですよね。お粗末さまでした。

ただ、オノマチで151話を終えても、127話で終えたのと観る者に与えるものは、「気持ちよく終わったー」という充実感が違うだけで(「終わりよければ、すべてよし」ですから、それこそが大事とも言えるのですが)、ドラマの本質は変わらないように感じています。そのあたりが、何歩か引いているというところです。

「引いている」と言っても、この一年では『それ生き』『ミタ』『ベム』と同じように堪能したドラマでした。
Commented by hyoutangaiden at 2012-04-06 12:15 x
 オノマチに思い入れのある人はやっぱり怒りますよねえ!

 私はオノマチをなんと知らなかったので、すごい役者さんだと感心しきりですが、夏木さんが劣るとはとくに思いませんでした。

 カーネーションがよいドラマだったなあという思いと、出演者がよかったということと、大阪製作をみなおした点、収穫は多く失うものがなかったのが、オノマチカーネーションを愛する人との違いでしょうか。
Commented by starforestspring at 2012-04-06 17:29
>DeepPurplin0283さん
私も“バカバカしい理由が交代劇の真相でないと仮定して”考えて、みました。その上で、なぜ交代劇後のドラマに魅力を感じられなかったかということを考えると、やっぱり夏木糸子さん個人への感情移入が出来なかったということに尽きます。それはもう個人的感性の問題であって、夏木さんに責があるわけではもちろんありません。別に私は夏木さんが嫌いではないです。単に!今回小原糸子を演じた彼女に対してのめり込めなかったということだけです。関西弁のイントネーションだとか、食べ方だとか、そういうところなんです。それは『おひさま』の若尾さんのナレーションに耐えられなかったのと同じレベルで、私個人の問題です。
私にしては珍しく毎朝ちゃんと時刻を合わせてテレビの前に座る努力をしておりましたので、交代劇以降その習慣が途絶えてしまったことへの無念さというか、八つ当たりもあります。始まった当初は、まさかラストまで見ることになるなんて思いもよらなかっただけに、私自信の興味が失せたことが悔しいのです。
Commented by starforestspring at 2012-04-06 17:44
>hyoutangaidenさん
私は『火の魚』で尾野さんを見たときに、なんて透明感のある演技をする人だろうと感心いたしました。河瀬監督の『殯の森』がデビュー作だったかと記憶していますが、それ以降の活躍はなんにも知らなくて、『火の魚』に出会うまでは全くの“圏外”の女優さんでした。
とは言っても、多部未華子さんのように過去作品をかたっぱしから・・っていうほどでもなかったので、尾野さんの魅力については、まだまだよく知らないっていうのが正直なところです。
ですので、今回のドラマでの“糸子”が私の尾野真千子評に肉付けをしていったようなものです。
舌打ちは・・不思議な魅力でした。寝っ転がっておせんべいを食べるのにも不快感を感じませんでした。善作さんにほほを打たれてもなお、善作さんをにらみ返すあの表情はすばらしいと思いました。
あのへんからでしょうか?私がいそいそとテレビの前に座るようになったのは。。
朝ドラを通してみるって、なかなか楽しいものだと今回の『カーネーション』で知りました。
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