映画が先か原作が先か

昨日、『トラウマ映画館』を読み終えました。
大変興味深い本でした。
これだけ興味を引きつけられる映画紹介の文章を読んでおきながら、実際にそれを見ることが出来ないというのは、まことに消化不良なのですが。。。

本当に残念です。

文中紹介されている映画の中には今も見ることの出来る映画がいくつかありますので、せめてそちらの方を観ることで、埋まらない溝を埋めることにしようと思います。


で、続いて『対岸の彼女』を読み始めました。
まだ100ページほどですが、葵は財前直見さん、小夜子は夏川結衣さんの顔で登場してきます。
まあ当然の結果です。

読書の楽しさのひとつに、文章が読者の頭の中で映像化されることが挙げられると思います。
想像力。
同じ文章を読んでも、頭の中に結ばれる映像は人それぞれ。
その人自身の経験や、考え方や、思考回路や、そういうものによって変わっていくのでしょう。

私は子供のころから、友人と遊ぶ時間と同じくらいの時間を、本を読むことに使ってきたのですが、私をそうさせた理由は、本を読むことで自分が“翔んでいける”ことだったということに尽きると思います。

本を読むことの楽しみは、文章から映像への変換作業。
そういう意味で、映画とその原作本と、どちらを先にするかということに、それぞれ意見があることでしょう。

最近の私は、映画が先、原作本があと・・というパターンが続きます。>ほとんど多部未華子さん出演作品
人によってどんな顔、どんなスタイルの人になるかわからない葵や魚子や小夜子のイメージが固定されてしまうことは、本来であれば読者がそれぞれ自由に頭の中で作っていけるはずの想像力を限定してしまう恐れがあります。
反面、
財前さんや夏川さんの姿を思い描きながら本を読み進めていくことが、より具体的なイメージ、インパクトでもって本の内容が読者に伝わるという良さも捨てきれない魅力ではないかと思います。


私は、映像が先か文章が先かという議論は議論として、ひとまずおいておき、
このふたつが相乗効果でもって本を読む人を増やす、映画を観る人を増やすという効果のほうに期待したいと思います。
読書の魅力、映画の魅力。
これは、ほんとうに深いものだと思うのです。

私はかつて、トマトジュースが嫌いでした。
あんなに不味い飲み物は世の中にないと、信じていました。
なぜか。
私のトマトジュース初体験は真夏。しかも炎天下ぬるく(というより生暖かくなった)缶入りを飲んだことが理由です。
トマトジュースは冷やして飲んだほうがおいしいに決まってる。
生暖かくなったものを飲んで「また飲みたい」と思う人はたぶんいないでしょう。
読書や映画も同じです。
最初に読んだ本、最初に観た映画。
最初に観たものでなくても、なにか面白くない理由がくっついてしまって“本を読む”“映画を観る”という行為に負のイメージを持ってしまった人たちが、映画と原作本の関係の相乗効果により、そのイメージを転換することが出来たら。。。
そうなればいいなあと思います。

なんだか余計なお世話な話ではありますが。



『対岸の彼女』
一気に読んでしまいそうです。


  gonbe
by starforestspring | 2011-08-17 20:30 | | Comments(0)
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