プリンセストヨトミ

ペルー戦、がっかりでしたね。
さっさと忘れましょう。



『プリンセストヨトミ』
を観てきました。
プリンセストヨトミ_b0137175_23274166.jpg

<以下、ネタバレを含みますのでご注意ください>

結論を言うと私は大いに楽しみました。
自分が生活圏としていた新世界界隈や、梅田、心斎橋あたりが出てきたということが理由のひとつではありますが、物語そのものも面白かった。
プリンセストヨトミ_b0137175_23533244.jpg


話そのものは、予想通り「ありえへん!」話なのですが、そのありえ(そうに)ない話を、シャレに落とさず、大まじめにやってるところが気に入りました。
細かいことを気にする人、神経質な人には向かないと思います。
この映画のキモになる「大阪は明治新政府と条約を交わした独立国であり、江戸時代の昔からトヨトミの末裔を守り続けている」っていう部分に「んなバカな」っていう反応が出てしまうとこの映画は楽しめないでしょう。
「へーっ、そうだったのか」
「大阪だもんな、それくらいやるかもしれない」
こう思ったアナタ、すぐ劇場に出かけるべきです。

いいなと思えたシーンは
・江戸時代の大阪、トヨトミの末裔が歩いている姿を微笑みながら見ている人々。
・大輔と茶子が寄り添って眠ってる姿を後ろから撮ったところ。
・鳥居(綾瀬はるかさん)の食べっぷり。
・プリンセスに危機が迫ったことを知らせるサインを観たおばちゃんが、
 飲んでるおっさんたちの前にひょうたんの入ったカゴをドンと置くとこ。

個人的に嬉しかったのは、やはり“大阪ならでは”のものが出てきたときです。
もうかなり長い間行ってないので、本当に懐かしかった。
づぼらやのフグ、グリコのネオン、通天閣、新世界、ジャンジャン横丁。。
ジャンジャン横丁がとんでもなく“健康的”になってたのには笑わせてもらいました。

細かいことは抜き、とにかく勢いで観る映画です。

「観たあとにお好み焼きが食べたくなる映画」と評しておられた方がいました。
そのとおり、映画の中に出てくる食べ物がみんな美味しそうでした。
特に串カツをソースの中に突っ込んで食べてるシーンはたまりません。
綾瀬さん扮するミラクル鳥居が、ちゃんとヘラでお好み焼きを食べてくれてたのは嬉しかった。
あれこそが“正しいお好み焼きの食べ方”ですから。

綾瀬さん、「鹿男あをによし」のときと同じようなキャラクター設定でしたね。
確かに彼女だけが持つ雰囲気は、そういう設定にぴったりなのですが、イメージが固定してしまうことが心配です。
「この役は彼女にしか出来ない!」という“スペシャリスト女優”を目指しているのなら別なのですが。
事務所はどう考えているのでしょう。


この映画、タイトルにあるプリンセスは、ほとんどストーリーに絡みません。
ですので、プリンセスを中心にみんなが立ち上がって何かと闘う・・というのを期待してるとがっかりします。
そもそもプリンセス本人は自分がプリンセスであることを知らないのです。
でもまわりの大阪人はみんな知ってる・・どうですこれ!

繰返しになりますが、
「大阪ならそれくらいのことは・・・」
と、思える人は楽しめます。
ムリかな・・という人は、およしになったほうがいいでしょう。


♪ナニはなくともナニワはサイコー
♪他に比べりゃ外国同然
と歌われる街、大阪。

だからこそ成立する映画だと思います。
他の街じゃ、こうはいかない。

   gonbe

パンフレット、立派な作りでしたよ。600円は高くない。
by starforestspring | 2011-06-01 23:44 | 映画・ドラマ | Comments(2)
Commented by かわたべ5678 at 2011-06-02 13:28 x
多部ちゃんにうつつを抜かしてる間に、そんな作品が公開されてたとは知りませんでした。自分も生まれは東大阪なんで、楽しめそうな作品です。

大阪の特異性をネタにした企画はけっこうありまして、自分も大阪が日本国から独立した設定の近未来マンガの、実写映画化に関わりかけた事がありました(企画自体が頓挫したみたいです)。

「大阪人」なんて、なぜか違う国の人種みたいに呼ばれちゃうのも大阪ぐらいですもんね。それを妙に誇らしく思ってるのも大阪人ならではの気質でしょう。多部ちゃんのご両親も…w
Commented by starforestspring at 2011-06-03 08:01
東大阪!
そうだったんですか、てっきり仮面の忍者赤影の末裔だとばかり・・・
大阪って、たしかに“他と比べりゃ外国同然”な街ですよね。
『大阪物語』のように、大阪の風土、人間、大阪特有の味わいというものがスクリーンからあふれ出てくるという映画ではないと思うのですが、“大阪”がベースにある方はきっと楽しめると思います。

>大阪が日本国から独立した設定の近未来マンガ
みんな考えることは一緒なんですね。
そういうことを思いついてしまう、そんなアイデアが実現可能に思えてしまうところがあの街のおもしろさ、特徴ではないでしょうか。

わが街大阪が一番と信じて疑わない大阪人のまっすぐさ。
太閤さんに親愛の情を持ち続けた大阪人の律義さ。
商売人としての計算高さとやる時はやるという豪胆さ。
そういうものに触れたことのある方には是非ご覧いただきたい映画です。

この映画についてのレビューを読んでみましたが、評価は分かれてるようです。
いつかかわたべ5678さんのブログで、この映画についての印象を読ませていただきたいものです。
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