コマ送りにみる多部未華子さんの魅力

実は私、前から気になることがあったのです。

ネットで多部未華子さんの画像を検索してみると、いわゆる「はい笑って~」「いいよ~ ちょと下向いてみようか」風に撮られた写真の他に、「え?」と驚いてしまうような写真がありますよね。

こんなのとか

コマ送りにみる多部未華子さんの魅力_b0137175_18113897.jpg


こんなのとか。

コマ送りにみる多部未華子さんの魅力_b0137175_18122246.jpg



いや、こういう表情をしている多部未華子さんがどうこうというのではなく、
どんなにしたら、こういう表情がつくれるのか
なぜこういう表情になるのか
というのが不思議だったのです。

鏡を見て、練習してでもいるのでしょうか?


Deep Purplin0283さんのコメントにあった“狐のお面”のシーンをもう一度見直しました。なるほど、翔太と万里ちゃんのうしろからついてくるつばさが所在なげにお面を持っています。

このシーンをコマ送りで観てみます。

このシーンのカメラは前を歩く二人をメインに据えつつ、奥のつばさも入れ込んでいるというところです。
ほとんどのセリフは万里が喋り、翔太は相づち程度。つばさにセリフはありません。
フレームの中の主役はゼスチャーたっぷりで熱く語る万里のようでいて、実は奥で目線をウロウロさせるつばさなのだと思います。

カメラが本当に撮りたかったのは、奥のつばさ。
たぶんそれは間違いないことだと思います。
では、監督からの演技指導はどんなものだったのでしょう?
それはわからないんですけれど、多部未華子さんがやった演技は

「前を歩く二人を見つめ、それから翔太に目線を移したあとうつむいてしまう」というものです。

コマ送りにみる多部未華子さんの魅力_b0137175_1842380.jpg



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コマ送りにみる多部未華子さんの魅力_b0137175_1844120.jpg




それだけ(って言っちゃあいけないですが)の短い、言ってみれば数秒のさりげないシーンの中で、これだけの表情の変化を埋め込める役者さんっているんでしょうか?

役者として、ごくあたりまえのこと・・・と言われるかもしれませんが、それでも私は多部未華子さんがさりげない演技の中で見せる表情の変化のつけ方は、他の多くの役者さんが真似できない部分ではないかと(勝手に)思っています。

ふつうならA→B→C と流れで変化をつけるところを彼女は、
Aの前にZ、AのあとにA'、Bの前にYとX、BのあとにB'とWを入れてそれからC。

Z→A→A'→Y→X→B→B'→W→C

こんな感じでAからCへの変化を表現する人のように思えてなりません。

だからこそ、「え?」と驚くような写真がキャプチャーされてしまう。
あれは、AからCに移る途中のYとかXなのです。
もしかしたらCそのものかもしれません。
それが、訓練のたまものであれ天性のものであれ、女優多部未華子のすばらしさはそこだと思います。

ふつうに彼女の演技を見させてもらうだけでも楽しいのに、
コマ送りの楽しさまで知ってしまったら、つばさ全156回を観るのに、どれだけ時間が必要なのでしょうか?

のみならず、これまで観てきた映画やドラマ、それから農業少女も、改めて見直したくなってしまう・・・。


いやぁ、タベリストって、ホントにツラいっすねえ・・・・。

つづきます。

   gonbe5515
by starforestspring | 2011-05-13 18:27 | 連続テレビ小説『つばさ』 | Comments(2)
Commented by DeepPurplin0283 at 2011-05-13 23:31 x
いやぁ~、狐のお面のシーンのキャプチャーなんて出されたら食いついかずにはいられないじゃないですか!


いいでしょ、このシーン。こういうのは脚本にも書いてなくて、後藤プロデューサーが「まさに西谷演出」と言ってました。

このシーンは何度も見直してますが、コマ送りまではしてませんでした。コマ送りで楽しみだしたら、多部ちゃんはキリがないですね。第5週のデレデレ乙女ぶりのところなんかは絶対コマ送りしたくなっちゃいますよ。

冒頭に紹介のデカワンコの2枚どちらも、大好きな絵です。1枚目はこの直後の気合を入れた「フンッ」、2枚目は驚きの「ハッ」の声がまたいいんですよね。

> Z→A→A'→Y→X→B→B'→W→C

なるほど。面白い見方ですね。そう言われてみると、ZでもA'でもBでもWでもCを超えたUltra Cや演出の要求を超えたDやEのどこでも自由に表情を止めることができるって感じのように思えてきました。

そういうときの多部ちゃんはかわたべさんご指摘の「半笑い」ではないですね。(変)顔の表情をキープするために真剣モード。それがまた何ともいえない空気の世界をつくりだしてます。
Commented by サントラもいいぞ! at 2011-07-21 22:26 x
このシーンは、多部ちゃんの演技も素晴らしいのですが、私は翔太の演技がとても自然で気に入っています。

このシーンの前、ブランコのところで翔太と二人きりの間、「あのね、万里はわたしの幼なじみでね、お父さんは鳶の頭で…」と、万里のプロフィールを翔太に一生懸命伝えるつばさが健気でした。(デートの引き立て役として)

そして万里が来て、「引っかわせを見るのにいいところ知ってるんです」といって3人で歩き出すんですよね。

うろ覚えですが、このきつねのお面のあたりから、ピアノの悲しげなイントロが入って、ググッとつばさの内面にフォーカスしていくのだったと思います。

そして、ラジオの男の「このときつばさは、万里の口から"夢"ということを初めて聞きました」みたいなナレーションが入ったと思います。

こうして書いているだけでも、ゾクゾクしてきます。

カメラワークでは、時の鐘が「ゴーン」となるのに合わせて、カメラをあおって鐘を映すところが印象的です。
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